【還暦を迎えた真矢ミキさん・インタビュー/後編】体の声を聞いて、自身の治癒力を高めたい!
きりっとした上司や頼りがいのある母親役で、ドラマに映画に引っぱりだこの真矢ミキさん。話題の映画『九十歳。何がめでたい』では作家・佐藤愛子さんの娘・響子さんを演じている。2024年の今年1月には還暦を迎え、体や心の変化にも敏感になったとか。個性的なドレスがお似合いの真矢さんに、元気の秘訣を聞いてみた!
これからは、自分の体の声に敏感に
「私は30代から今までずっと、年に1度は人間ドックで徹底的に調べてもらっていましたし、それとは別に婦人科の検診も受けていました。 『私の体どうですか?』って、まるで放り投げるみたいに診ていただいて、『プロに任せているんだから大丈夫だろう』と安心していました。 でもね、50代中盤くらいから秘かに思っていたんです。『もっとちゃんと自分の体が発してくる声に耳を傾けるべきなんじゃないか』って」 体の変化は、少しずつ。ちょっとした違和感をそのままにしないことが、大きなトラブルを防ぐことになる。
「最近も、少し目がショボショボするので、眼科に行きました。 夜更かししたりすると、視界の端っこがキラキラッとするときがあって。調べてもらったら、緑内障とか白内障ではなく、ドライアイだという診断でした。 でもその検査がなかなか恥ずかしくて。リトマス試験紙みたいな小さな紙を、先だけちょっと折って、下まぶた近くの白目あたりにチョンと置かれるんです。目から2センチくらい紙が出ているような状態で、あまり瞬きもしちゃいけなくて。 そのまま15分、いったん診察室から出て待合室で過ごしたのですが、いろんな人がそこを通るときに、私を見て一瞬、ビックリするんですよ。ふざけてるんか?みたいな(笑)」 深刻になりすぎず、ちょっと面白がりながら、自分の健康と向き合っている。思えば更年期も、そうやって乗り切っていた。 「その頃1度、婦人科でホルモン検査をしてもらったことがあります。やっぱりエストロゲンとか、大事なんですね。 そのときは『ホルモンが出てないのなら、入れてみよう』と、自分の体で実験しているみたいな感じで。体調が落ち着いたらやめましたけど、そういうの、わりと好きなんです」 ホットフラッシュもあったけれど。 「なんかこう、自分の体が壊れた家電のようでした。 海外に行くと電圧が変わるから、変圧器が合ってなかったりすると、カーラーの持ち手が熱くなるのに先が冷たいとか、あれと同じような。自分で体温調節がきかない。 でも私、性格がアバウトというか。『みんなが言っていたホットフラッシュというのは、これか!』って。楽しむわけじゃないけど、『これね! わかった!』という感じで即、受け入れていました。 おめでたい性格なんでしょうね(笑)。ビクビクしてもしょうがない、どうせ体験するものなんだからって」 この大らかさが、更年期を乗り越える助けになったのかも。ちなみに健康維持のために薬などにはなるべく依存しない主義だそう。 「ちょっと思うところがありまして。自分自身の治癒力を高めていきたいんです。 例えばどこか痛いところがあるとして、その痛みは体の発するSOSですよね。それを薬で勝手に止めてしまうのは、便利で痛みも取れてありがたいけれど。 その痛みには理由があるはず。頭痛がするけど、もしかしたら肩が凝ってるからでは?と考えてみたり。まずは体の声をちゃんと聞こうと思い始めました。 私なんて、たいていは運動不足です。運動不足によって頭痛がしたりするんですよ」