笑顔で会見する中谷潤人

　ボクシングの７大世界戦（東京・有明アリーナ）第２日の１４日にＷＢＣバンタム級タイトル戦で６回ＴＫＯで防衛した中谷潤人（２６）＝Ｍ・Ｔ＝が１５日、東京都内で会見し、全ラウンド圧倒してのＴＫＯ勝利を物語るきれいな顔で登場した。「一睡もしていません」と言いながらも輝くような笑みを浮かべた。 　「練習してきたことがしっかり出た試合かなと思います。前から言っている統一戦は目標にしていますし、それを期待してもらえるようにいいパフォーマンスをしたいです」。会見前には第１日でＷＢＡ同級王座を勝ち取った堤聖也（角海老宝石）から「強すぎ！」とう言葉をかけられて「ありがとうございますの気持ちでいっぱいです」と目を細めていた。 　バンタム級に昇格してからの３試合、すべてＫＯで世界戦を制している。今回は有明アリーナに衝撃的な爆発音を響かせる左ストレートで、プロ７７戦で一度もダウン経験のなかった挑戦者ペッチ・ソー・チットパッタナ（タイ）を２度倒して完全ＫＯした。 　「周りの人からもパンチの音がすごかったと言ってもらえる。自分でもプラスにとらえていきたい。バンタム級に上げてからスピード感も増している。タイミングも意識してきたので、それでＫＯを見せられたと思います。体重は、若干きつくなりつつあるのはありますけど、多少節制してやればいいコンディションを作れる。引き続き目標のためバンタムでやりたいと思います」 　あまりの強さから、統一戦に加えて１階級上の世界４団体統一スーパーバンタム級王者・井上尚弥（大橋）との対戦にも期待が集まる。ただ、１階級下にも潜在的な好敵手がいる。ＷＢＣスーパーフライ級王者ジェシー・ロドリゲス（米国、帝拳）は、世界２階級制覇王者は近い将来のバンタム級転向も視野に入れている。 　中谷は「すごくタレント性があっていいキャリアを歩んでいる、刺激をもらっている選手のひとり。戦いたい気持ちもあります。バンタム級で待つとまではいきませんが、タイミングだと思います」と前向きだった。 　今後は、１８日に東京・後楽園ホールで行われる盟友エイドリアン・アルバラード（米国）の日本デビュー戦のサポートに回る。ＷＢＯフライ級王者オラスクアガ（米国、帝拳）とともに１０年以上、米ロサンゼルスで練習をともにしてきた仲間。そのためにも、防衛直後から連日ジムに通うことになりそうだ。