【バドミントン】混戦を抜け出した小林優花が、関西勢として8年ぶりにシングルス女王に!<女子シングルス/インカレ2024>
10月11日に、大学日本一を決める第75回全日本学生選手権(インカレ/京都府京都市・長岡京市・城陽市)が開幕。今年からインカレは個人戦と団体戦の日程を分けて実施しており、先に個人戦が島津アリーナ京都で行なわれた。大会最終日の16日は、混合ダブルスを含めた5種目の決勝戦が実施された(混合ダブルスは準決勝も実施)。ここでは女子シングルスの決勝戦の結果をお伝えする。※団体戦は11月15~17日まで、群馬県前橋市のALSOKぐんまアリーナで開催 【女子シングルス】 全種目の中で混戦の色がもっとも濃かった女子シングルス。関東学生選手権と東日本インカレを制した第1シードの内田美羽(法政大)が3回戦で敗れて本命不在となった中、その内田を倒した長廻真知(筑波大)が勢いに乗った。ダブルスでは一昨年に準優勝、昨年もベスト4と高い実績があるが、シングルスはインカレでの出場が今回が初めて。準々決勝で北海道学生のチャンピオン・澤沼音里(北翔大)、準決勝では1年生で快進撃を見せていた今泉明日香(日本体育大)をいずれも2-0で退けて最終日の決勝進出を果たした。 長廻のヤマのベスト8の顔ぶれが東日本勢ばかりだったのに対し、もう一方は西日本勢が占めた。そこを抜け出したのが2年生の小林優花(龍谷大)だ。昨年も関西学生選手権優勝、西日本準優勝、そしてインカレでベスト8と1年生ながら大健闘したが、「責任とかプレッシャーを感じすぎて、今年は関西でも去年のようには結果を残せなかった」と振り返る。しかし、今大会は、「全国で関東の人たちに挑戦するという気持ち」で臨めたことがいい流れを生んだ。結果的には4回戦、準々決勝と関西対決が続き、準決勝も西日本インカレ優勝の佐々木真奈(敬和学園大)だったが、本来の力を発揮して勝ち切った。 東西対決の決勝戦、第1ゲームを11本で先取した小林だが、第2ゲームは前半11-10と競り合う展開に。しかし、精度の高いショットとねばり強さで後半はじわじわと点差を広げていく。「私の我慢が足りずに、先にミスするパターンが多かった」と長廻。最後は、小林のスマッシュを正面で受けた長廻のショットがネットにかかり、15本で決着した。 女子シングルスを関西勢が制するのは、2016年の下田菜都美(龍谷大)以来。西の強者・龍谷大の新エースを背負う小林にとってもチームにとっても、大きな意味のある「8年ぶり」となった。 優勝 小林優花(龍谷大) 「龍谷大の女子としては、単複・混合の全部を獲りにいくという目標があったので、その中で今日、最初にコートに入る自分がいい流れをつくりたいと思っていました。シングルスでは西日本の選手が長く優勝できていなかったので、監督やコーチにも喜んでもらえたことは少し恩返しができたようでうれしかったです。 ただ、今回は西日本の方と当たることが多くて、東日本の方たちと多く対戦したときに本当に勝っていけるのかと考えると、喜んでばかりはいられないなと思っています。(11月の)団体戦では違うプレッシャーがありますし、全日本総合では自分の力がどこまで通用するのか、楽しみながらも結果がついてくるようにがんばりたいです」 ▼決勝(10月16日) 小林優花(龍谷大)②〔21-11、21-15〕0●長廻真知(筑波大)
取材・文/山口奈緒美 写真/三野良介