「そんなに悪いもんじゃない」今ではすっかり減った“社員旅行の思い出”を振り返る 熱海へ、鬼怒川へ、グアムへ…若き日の珍道中
今年のプロ野球日本シリーズは、横浜DeNAベイスターズの優勝で幕を閉じたが、優勝チーム恒例のハワイ旅行を実施しない可能性もあると報じられている。その背景に、関係者の旅行に向けた調整が困難な点も指摘されている。一般的なビジネスマンでも、かつては「社員旅行」が一般的な時代もあったが、今ではそうした慣習も減っている。はたして、社員旅行とはどのようなものだったのか。1997~2001年まで広告会社に在籍していた時代に何度も社員旅行を経験した、ネットニュース編集者の中川淳一郎氏が振り返る。 【写真】社員旅行を楽しむ若かりし日の筆者
* * * 今回のDeNAのハワイ旅行回避の可能性について、ネットでは「職場の旅行は古い時代のもの」といった意見の一方で「裏方に感謝をすべき場所として、旅行に行くのはいいこと」など、賛否があるようですね。この報道を見て、自分がかつて経験した社員旅行を思い出してみたのですが、かなり楽しかったですね。 1997年、新入社員の時は金曜日の17時過ぎに続々と同じ部署の人々がJR山手線田町駅(当時のオフィスの最寄り駅)へ向かい、そこから東京駅まで行って「こだま」に乗ります。新幹線内では席を回して4人掛けにしてビールを飲み、熱海へ。東京から熱海は45分ほどで着くため、「なんだよ、まだ飲み足りないな」「今から宴会だよ。そこで飲め」なんて会話になる。 熱海駅から商店街を通ってブラブラと歩き、その日の旅館へ。温泉に入った後は大宴会場で宴の開始です。司会は新入社員である私。局長の乾杯の音頭があった後は、飲めや歌えの大騒ぎ。途中、ビンゴ大会もあり、2時間の宴会が終わったら後は自由時間に。この日参加したのは男性が30人、女性が20人といったところだったでしょうか。正社員も派遣社員も、希望者は全員参加でした。 男性従業員は熱海の街に繰り出して麻雀をしたり、飲みに行ったりしました。これらに行かない従業員(女性が多い)はいくつかの部屋に集い、宴会を続行。あとは眠くなった人が次々と脱落していき、翌朝は風呂に入った後、ボケーっとした顔で朝食会場へ。その後は気の合った者同士で熱海の街で遊んでも良し、そのまま帰っても良し、ということで自由解散となります。 結局「局」全体の社員旅行はこの年が最後になりましたが、翌年はその下にある「部」のさらに下の「グループ」で同じく熱海に行きました。この時はグループリーダー以下6人と、局長も誘い再び熱海へ。初日は宴会をし、翌日は釣り船に乗ってアジを大量に釣ったのです。