”てんかん”に偏見を持たないでほしい…「持病はない」とウソが引き起こした事故を受けて思うこと
すると受験会場の担当者に呼ばれ、「てんかんを持っていて発作が出て倒れたことがある」と話したところ、「では、免許は取れないね」と言われたという。 現在の法律では2年以上発作が出ていないことなど一定の条件を満たせば運転免許の取得が可能で、中村さんも薬の服用により10年以上発作が出ていないため、普段から車の運転をしている。
浜松市で起きた2つの事故については、「思うことがある」と話す。 中村真二さん: その(虚偽の回答をしてしまう)人たちが過ごしやすい社会にするために、自分に何ができるかを考えてやっていきたいという思いの方が強い。その人が(免許更新の質問票で)「いいえ」と回答しないための社会をどう作っていくかということに貢献していきたい
「てんかんを知って」小学校で講演
中村さんはてんかんについて多くの人に知ってもらおうと、仕事の合間を縫って小学校などで講演している。 児童: てんかんになる時は自分でわかりますか? 中村さん: 僕の場合は発作で、ガタガタガタと倒れる前に一瞬 電気ショックのようなピクっていうのが2~3回ある。でも人によってあったりなかったり。ある人でも気持ちが悪いとか、お腹に違和感があるとか、人によってバラバラ
児童のなかにはてんかん患者もいて、「てんかんの人と話せるのは、自分もてんかんだから良い時間でした。ありがとうございます」とお礼を言うと、中村さんは「僕も感動するぐらいうれしいです、ありがとうございます」と返していた。
「偏見を持たずに正しい理解を」
静岡県警によると2023年までの10年間で、県内で一定の病気等を理由とした運転免許取消し件数はのべ1459件。そのうち、てんかんによる免許の取消しは約半数の741件だそうだ。
中村真二さん: (今は)免許を取れなくなるから(質問票で)「いいえ」にマルをつける人がいたとしても、「周りの人が理解してくれるから運転免許なんていらない」と思えるくらいの世の中になれば事故も減るだろうし、てんかんを持つ人が生きやすい世の中になる。その意味で、もっと知ってくれる人、理解してくれる人が増えたらいい てんかんについて偏見をもたずに社会全体として正しい理解を深めてほしい。それが中村さんの今の願いだ。
テレビ静岡