「清原正吾」の進路は独立リーグか“就活”か…「プロ入りを蹴って一流企業の役員に登りつめた慶應エース投手」の前例
やっぱり、スターの素質は充分だ──。唸った野球ファンも多かったはずだ。東京六大学野球で慶應と早稲田の2連戦が11月9日と10日に開催され、慶應が連勝で早稲田の優勝に待ったをかけた。そして勝利の立役者となった1人が慶應の4番・清原正吾選手。プロ通算525本塁打を誇る清原和博氏の長男は、PL学園の4番バッターとして父が甲子園で暴れたように、神宮のグラウンドで大器の片鱗を見せつけた。 【写真】若き日の父・和博氏の面影も…白い歯が覗く満面の笑顔がイケメンすぎる清原正吾選手 ***
9日の初戦では6回、甘く入ってきた初球の直球を振り抜いてソロホームラン。ホームを踏むとスタンドで観戦していた父親に向かって指を差した。試合後、「完璧な当たりだった」と振り返り、指差しは「『見たか』という思いと、『ここまで育ててくれてありがとう』という気持ちを込めました」と説明した。 この日は他の3打席もヒットを放ち、4打数4安打1ホームランと大活躍。翌日の第2戦でも4回に内野安打を放ち、チャンスを広げて同点打を呼び込んだ。最終打席は空振りの三振で、「僕らしくていいんじゃないかな」と振り返った。試合後は感極まったのか号泣し、観客席に向かって「ありがとう」と叫んだ。 一方、注目されている進路に関しては「何も決め切れていない。どの選択肢もあり得るというか。早大戦で2連勝することだけを考えて過ごしてきたので、明日以降、ちゃんと自分と見つめ合って考えたい」と答えるにとどめた。 ドラフト会議でNPBのチームからは指名されなかったが、独立リーグなど10球団近くが熱烈なラブコールを送っていると見られる。さらに海外留学説も出ているほか、もし大学を留年して就職活動を行えば、超一流企業からの内定は間違いないと言われている。担当記者が言う。
清原選手の持つスター性
「慶應大学の野球部は卒業生の進路を公式サイトで公表しています。それによると、今年度の部員の就職先はデロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー、三菱UFJ銀行、アマゾンジャパン、テレビ朝日、サントリーホールディングス……と一流企業が目白押しです。また省庁は経済産業省が1人と、まさにエリート集団と言えるでしょう。その一方で、清原選手と同じようにプロ志望届を提出し、やはりドラフト会議で指名のなかった外野手の水鳥遥貴選手は明治安田生命で野球を続けることが発表されました。他にも数人が大学を卒業してからも野球を継続すると表明しています」 野球評論家の広澤克実氏は11月9日に行われた早慶戦初戦の中継に解説者として出演した。実況席から見た清原選手のホームランには「度肝を抜かれた」と言う。 「球場の盛り上がりが本当に凄かったですね。清原選手の持つスター性を改めて認識しました。率直に言って、独立リーグが清原選手に熱烈なラブコールを送っているのは、彼の素質だけでなく、興行的な側面も大きいと思います。あれだけ神宮を沸かせる男ですから、入団すれば観客が球場に詰めかけるのは間違いないでしょう。プロとアマの垣根を越えた野球界全体にとっても、清原選手の独立リーグ参加は大きなプラスになると思います」