プロテインにも“飲みすぎ”はある!管理栄養士が警鐘を鳴らす「タンパク質摂りすぎ注意報」
高タンパク食品に含まれるタンパク質量を覚えておこう。
・鶏ささみ100g(タンパク質24.6g) ・焼いた銀鮭の切り身1切れ70g(タンパク質17.6g) ・木綿豆腐1丁300g(タンパク質21g) ・卵Mサイズ1個(タンパク質約7.3g) ・納豆1パック(タンパク質約8.3g) ・牛乳200ml(タンパク質約6.6g) ・主食にもタンパク質は入っています。 ・めし150g(タンパク質約3.8g) ・食パン6枚切り1枚(タンパク質約6.2g)
プロテインを積極的に補うべき人はどんな人?
▼食べることに興味がない人 「『食べなくても生きていける』が口癖のようになっていて、食べなくていいなら食べたくないというタイプは、タンパク質に限らずあらゆる栄養素が不足している可能性が高いです」 ▼食事がパンだけ、おにぎりだけになってしまう人 「パンやおにぎりだけしか食べないということは、炭水化物中心ということになり、タンパク質が足りません。タンパク質と、ビタミン・ミネラルも補って欲しいですね。逆に食事をプロテインだけで済ませている人は、おにぎりなどの炭水化物と、ビタミン・ミネラルを補うべきです」 ▼持久性のトレーニングを1時間以上行う人 「1時間以上のジョギングをしている人は、体重あたり1.2gのタンパク質が必要です。しかし、1時間以内のジョギングなら、タンパク質を基準(体重あたり1g)より多く摂取する必要はありません。スポーツ栄養的サステナブルは、その人に必要な量だけ取ること。思い込みで摂取量を増やすのはサステナブルではないのでやめましょう。」 ▼健康=野菜だと信じて疑っていない人 「野菜さえ食べていれば健康だと信じて疑わない、ベジタリアンを履き違えてしまっている人は、タンパク質以外にも不足している栄養があるはずです」 バランスがいい食事の基本は、「主食・主菜・副菜」の3つが揃っていること。プロテインはこのうち主菜の役割しか果たせないので、プロテインを取り入れる場合でも、エネルギーを作り出す主食(炭水化物)と、体の調子を整えてくれる副菜(ビタミン・ミネラル)も併せて摂ることを忘れないようにしたい。 まずは、自分の食生活を振り返り、どんな栄養素が足りていないのか、把握するところから始めてみよう。 お話を伺ったのは…… ▼鈴木志保子さん 公立大学法人神奈川県立保健福祉大学保健福祉学部栄養学科学科長/管理栄養士/公認スポーツ栄養士 東京都出身。実践女子大学卒業後、同大学院修了。東海大学大学院医学研究科を修了し、博士(医学)を取得。2000年より国立鹿屋体育大学体育学部助教授、2003年より神奈川県立保健福祉大学栄養学科准教授、2009年4月より教授、2021年4月より現職。(公社)日本栄養士会副会長、(一社)日本スポーツ栄養協会理事長、日本パラリンピック委員会女性スポーツ委員会委員、車いすバスケットボール日本代表チーム(男女)、パラ水泳日本代表選手やマツダ陸上部の栄養サポート など。専門分野はスポーツ栄養学。著書は、「理論と実践 スポーツ栄養学」(日本文芸社)をはじめ多数。