“近距離モビリティ”でイルミネーション体験 別視点で得た課題と工夫…誰もが過ごしやすい“愉しい出来事”で出かけたくなる街づくりへ
高齢者が「出かけたい」健康的に笑顔で暮らせる街へ
「Live News α」では、コミュニティデザイナーで、studio-L代表の山崎亮さんに話を聞いた。 堤礼実キャスター: いつもとは違う視点で輝く街を見てみると、色々な気付きがありそうですね。 コミュニティデザイナー・山崎亮さん: 今回の取り組みは、「これからの都市のあり方」を体感できる機会になると思います。何しろ、移動しやすい条件を整え、美しいイルミネーションが来訪者を迎える。 車椅子や近距離モビリティの移動体験を通じて、相互理解を深める対話が生まれたりもします。 自分が高齢になった際に、都市のあり方に思いを馳せることにもつながると思います。どれも素晴らしい体験になると思います。 堤キャスター: これまでとは違う、住みやすさなどを考える機会になりそうですね。 コミュニティデザイナー・山崎亮さん: 高度経済成長期以降、日本は「団塊の世代」という若者を想定して、若い人を対象として街を整備してきました。 その若者が現在は高齢者になっていて、高齢者の人口は、今後数十年、多いままだろうと言われています。したがって、今後の都市再開発は、高齢者の利用を想定して進める必要があります。 堤キャスター: 具体的には、どんな課題があるのでしょうか。 コミュニティデザイナー・山崎亮さん: 高齢者は、自分と環境との間に、障害を感じやすくなります。それも複合的な障害を感じることが多くなります。 その結果、外出を避けるようになり、体力が低下してしまう。人と会う機会も減り、笑顔になる回数も減ることになります。 「健康で長生きする人を支える都市」を実現するためには、まず、「出かけたい」と思えるような街に変えていく必要があります。
誰もが愉しめる街をつくる対話と行動の重要性
堤キャスター: 出かけたくなる街づくりでは、どんなことが鍵になるのでしょうか。 コミュニティデザイナー・山崎亮さん: 都市で、「愉しい出来事」が起きていることが大切だと思います。今回は企業が「愉しい出来事」を用意してくれたということになりますが、今後は市民自らが、それを生み出していけたらいいなと思います。 さらに、「愉しい出来事」に、誰もがアクセスできる移動条件を整えて、多くの人の外出機会を創出することが求められるでしょう。そのためには、引き続き「さまざまな人達の対話」が重要になると思います。 堤キャスター: 人の気持ちに寄り添い、そして、同じ視点で同じ経験をする機会は、なかなか得られないものだと思います。こうした体験での気付きを大切にして、それを日々の生活に活かしていきたいですね。 (「Live News α」12月5日放送分より)
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