年金を「月20万円以上」もらえる人は何パーセント?年収目安も紹介
年金を月20万円もらうための現役時代の年収は?
年金の受給要件を満たした会社員は、原則、65歳から老齢基礎年金に、老齢厚生年金を上乗せして受け取ることができます。 老齢基礎年金は、480か月分の保険料を納めてあれば、月額6万8000円(2024年度満額)が受け取れます。 一方、老齢厚生年金は、現役世代の収入金額(給与など)と厚生年金加入期間によって、次の受け取る金額が変わります。 計算する際は以下の式を使います。 《1》平成15年3月までは、平均標準報酬月額×7.5/1000×平成15年3月までの加入期間 《2》平成15年4月以降は、平均標準報酬額×5.769/1000×平成15年4月以後の加入期間 これより、将来、毎月20万円の年金を受け取る場合の現役時代の年収を計算してみましょう。 その際、前提にする条件は次のとおりです。 ・平成15年4月以後に480か月間厚生年金に加入 ・この間の年収はボーナスを含む一定額とする ・この条件により上記《2》の計算式を使用 この条件より将来、毎月20万円の年金を受け取るには、老齢厚生年金は「20万円-6万8000円=13万2000円(月額)。年額にすると158万4000円を受け取る必要があります。 前述《2》の計算式に当てはめて計算すると、次のとおりになります。 ・平成15年4月以降の加入期間は「480か月」です。 平均標準報酬額×5.769/1000×480か月=158万4000円(厚生年金受給額の年額) 平均標準報酬額=57万2022円≒57万2000円 平均標準報酬月額を年収に換算すると686万4000円となります。
将来に向けた3つの資産対策
年金を「20万円以上」もらえる人は14.8%です。もし、月額20万円以上の年金をもらおうとすれば、現役時代の40年間の年収目安は約700万円。 国税庁「民間給与実態統計調査 令和4年分」によれば、日本人の平均給与は458万円となっています。これらの数字と比べても年収700万円は高い水準といえ、平均給与から200万円以上の差があります。 それを踏まえたうえで、将来に向けた資産対策として有効なものを3つご紹介します。 ●将来に向けた3つの資産対策1:年金の上乗せを確保する 公的年金だけで毎月約20万円以上の収入を得るのは難しいですが、不足額を自分で準備する私的年金制度を活用することで補うことができます。 私的年金として誰もが利用できる制度は、iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)があります。iDeCoは、拠出、運用、受取のタイミングで税制優遇を受けられるのがメリットです。 ただし、iDeCoは老後資金を準備するための制度なので、原則60歳まで引き出すことができない点には注意しましょう。 ●将来に向けた3つの資産対策2:退職後を視野に入れた副業・スキルアップを検討 私的年金以外に、現役時代から副業を始めておいたり、老後の再就職に役立つスキルアップをしておいたりすることも必要です。 退職後も安定して収入が得られれば、年金の不足分を補填できます。 早めに老後の働き方をイメージして、自分が目指す仕事に必要な資格を取得したり、スキルアップのための研修に参加したりして準備しておきましょう。 ●将来に向けた3つの資産対策3:生活レベルを一定に保つ 一般的には勤続年数が長くなるにつれ、年収が上がっていきます。収入が膨らむにつれ、生活レベルも徐々に増えてしまいがちです。 しかし、これからの老後を考えた場合、今までの生活レベルを下げることも必要です。 住宅ローンを含めた日々の生活のすべては手取りの7割でするようにして、残り3割は必ず貯蓄するようにしましょう。 早いうちから、習慣化しておけば、将来、年金生活になったときに「お金が足りない…」「これからどうしよう…」という悩みを抱えることはないでしょう。