年内にビットコイン10万ドル超、オプション市場での確率は10%以下
ビットコイン(BTC)の価格が年末までに少なくとも10万ドルに急騰する可能性に洗練された投資家や個人投資家が注目する中、この暗号資産(仮想通貨)に関連するオプション市場では、そのような急騰が実現する可能性は低いと見ている。 記事執筆時点では、主要取引所であるデリビット(Deribit)のオプション価格設定では、12月末までにBTCが10万ドルを突破する確率は9.58%と示されていた。データソースはデリビット・メトリクス(Deribit Metrics)だ。 オプションとは、購入者に特定の期日またはそれ以前に、原資産をあらかじめ定められた価格で購入または売却する権利(義務ではない)を与えるデリバティブ契約だ。コールオプションは購入する権利を付与し、強気の賭けを表す。一方、プットは価格の下落リスクを回避するものだ。 市場が第2四半期と第3四半期の供給過剰の懸念を乗り越え、主にアメリカ連邦準備制度理事会(FRB)の金利引き下げへの新たな傾倒により、強気な軌道に乗っていると報告されていることを考えると、強気派にとって10%近い数字は不可解に思えるかもしれない。 しかし、ビットコインの予想変動率は安定していることから、市場参加者は短期的に大きな変動は起こらないと見ていることが伺える。 デリビットのビットコイン予想変動率指数(DVOL)は、30日間の価格変動の予想を年率換算で示しており、3カ月間は50%から60%の範囲で推移しており、3月に記録した2024年の最高値85%を大きく下回っている。 オプション価格から推定される確率は、現在のスポット価格、行使価格、満期までの期間、ボラティリティ、ノーリスク金利などの要因を考慮したブロック・ショールズ・モデルやその他の価格モデルを使用して算出される。オプション価格に基づく確率は、インプライド・ボラティリティ(IV)と正の相関関係がある。ボラティリティが大きいほど、ビットコインが特定の水準に達する確率が高くなる。