阪神・掛布2軍監督も落合式練習を導入。マシンの速度を遅くした!
掛布氏は、この2年のDC時代に、時折名古屋でのウェスタンリーグにも付き添い、試合中はベンチに入れないため、落合GMとネット裏のブースで積極的に意見交換を行い、「どうすれば若手が育つのか」の育成議論や、バッティング議論に華を咲かせた。その中で、プロのバッティング技術は、いかに崩された中で対応するかが不可欠で、そのために練習から“間”と“タイミング”を確認、徹底する必要があるという点で議論が一致したという。 また掛布2軍監督は、バッティング練習のもう一箇所では、できる限りBPではなくピッチャーを立たせている。そこではバランスとテンポを重視して、ストライクを取ることを優先させている。この日は、鶴が投げたが、ピッチャー、バッターのどちらのレベルアップにもつながるようにと考えた工夫。久保投手コーチも「全力投球するのでなくバランスを考えたピッチングで得るものが大きい」と手ごたえを感じているという。 「キャンプの最初に狩野や坂らの2軍に残っている中堅クラスの選手に《君たちが目いっぱい走って引っ張ってくれ》とお願いをした。若手の育成はもちろんだが、ベテランと呼ばれる選手も、もうワンランクレベルアップをはかりたい。彼らがバッティングに興味を抱くようなヒントを提案してあげたいし、1軍の歯車が欠けたとき、2軍から遜色なく、しっかりと当てはまる選手を作っておきたいし、もっと言えば、大きな歯車となって取って代わるような選手を育てたいと考えている。そのためには、まず迷ったら戻ることのできる原点、基本を今しっかりと固めること」 掛布2軍監督の語り口が熱い。 金本新監督が唱えた“改革は”ファームにも浸透。28年ぶりにユニホーム復帰した“ミスタータイガース”は、来季への期待感の高まる掛布流の改革の風を鳴尾浜に吹かせている。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)