阪神・掛布2軍監督も落合式練習を導入。マシンの速度を遅くした!
阪神の掛布雅之2軍監督(60)が指揮をとる鳴尾浜の秋季2軍キャンプを4日、訪ねた。秋晴れのスタンドには平日にも関わらず多くのファンがカメラを片手に詰めかけていた。金本知憲新監督(47)の「掛布さんに継続して見てもらった方がいい」との意向で鳴尾浜に残された横田慎太郎・内外野手(20)以外の有望な若手メンバーのほとんどが高知・安芸キャンプに合流しているため、参加メンバーが限られていたが、掛布2軍監督は、さっそく練習の随所に工夫を施していた。 バッティング練習は、バッティングマシンと人の2箇所で行っているが、マシンのスピードを、これまでよりも約5キロほど減速させたのだ。つまりストレートの球速が、110キロ程度のプロの世界ではスローなボールを打っている。 「狙いは、できる限りボールを長く見て、テイクバックをゆったりと取ってトップを作ることを意識させるため。スピードガンを速くすれば、衝突するようなバッティングを覚えるだけで、崩されたら終わり。対応力は養えずに実戦では役に立たない。そもそもマシンはフォーム固めに使うのだから遅いボールを打った方がいい」 掛布2軍監督は、金本新監督から預けられた横田の育成はもとより全体のレベルアップを課題としていて「トップを作る」「体をレベルに使う」というバッティングの2つの基本の徹底を掲げた。マシンを使ったバッティング練習は、速いボールを打ち過ぎると弊害もある。トップやテイクバックをつくれず揺さぶりに弱く、フォームが崩れた中でも、芯に当てていくというバッターに必要な技術が身につかない。巨人は、今春のキャンプで逆に160キロマシンを導入したが、結果としてチーム打率.243はリーグ最低だった。 「落合氏が、現役時代に遅いボールを打っていた。ふわっとしたスローボール。マシンを遅くしたと言っても、あそこまで遅くはないけれど、考え方は一緒。しっかりとトップを確認する作業だ」 掛布2軍監督がマシンのスピードを落とした背景には、3冠王を獲得した現在中日GMの落合博満氏が、現役時代に取り組んでいた練習方法がある。落合氏は、現役時代には、様々なアイデア練習方法を取り入れていた。正面にボールを投げさせて、まるで払うように打つ「正面打ち」を巨人が、この秋季キャンプで導入して話題となったが、スローボール打ちも落合流のひとつ。