アウディQ8 スポーツバック e-tronがさらにしなやかに、扱いやすく進化。「ハイエンドSUV」の新時代を切り拓く【試乗】
アウディのフラッグシップSUVはやはり「Q8」が似合う
アウディ初のBEVモデルのeトロンおよびeトロン スポーツバックがアップデート。SUVのフラッグシップとなるQ8がモデル名に付けられQ8 eトロン/Q8 スポーツバック eトロンとなった。カーボンニュートラルを目指すアウディの電動フラッグシップモデルとは。(Motor Magazine 2024年1月号より) 【写真はこちら】たとえアクセルペダルを“ドンッ”と踏み込んでも、鬼面人を驚かすような急加速を示さない(全12枚) アウディ初の量産型BEV「eトロン」がマイナーチェンジを受け、モデル名をQ8 eトロンへと改めた。 外観の変更はリニューアルの域を出ないが、アウディらしく、バッテリーやモーターといったBEVの本質に関わる部分には抜本的な対策が施された。 まず、バッテリー容量は「50」と呼ばれるグレードで71kWhから95kWhへ、「55」では95kWhから114kWhへと、それぞれ34/20%拡大された(いずれもグロス値)。この結果、航続距離は「50」で335kmから424kmへ、「55」では423kmから501kmへと延長されている(いずれもWLTCモード)。 ただし、今回はあくまでもマイナーチェンジなのでバッテリーパックのサイズに変わりはなく、バッテリーセルの化学的組成を見直すとともに、実装密度の向上により容量拡大を実現したという。 このうち実装密度に関しては、従来型も新型も角形のパウチ式であることに変わりないものの、問題はパウチ内のセルのレイアウト。従来はグルグル巻きにした1枚のセルを角形パウチに収めるため、厚み方向にぎゅっと押しつぶしたようなカタチとしていたが、新型では長いセルを何度も折りたたむようにして、パウチに収納した。 このレイアウトをスタッキングテクノロジーと呼ぶそうだが、グルグル巻き方式ではパウチ内の四隅にすき間ができてしまうのに対し、何度も折り返すスタッキングテクノロジーではこのすき間を最小化できるために、バッテリーパック全体としてのエネルギー密度を向上できたという。