角田裕毅、熾烈なF1中団争いでは好調ハースとアストン復活を警戒。RBは“トップ”ではない……しかし「僕らは戦いの中にいる」
今年も熾烈なF1の中団グループ争い。シーズン折り返しとなるイギリスGPを前に、RBはコンストラクターズランキング6番手と、その中では比較的上位につけている。 【動画】フェルスタッペンとノリス、優勝争った2台がまさかの接触|F1オーストリアGP決勝 RB所属の角田裕毅は、今季マシンVCARB01が現状では中団グループ最速ではないと認めているものの、激しい戦いから脱落している訳ではないと考えている。そして好調なハースや先行するアストンマーティンを注視していると語った。 今季装いを新たにF1グリッドへ並んでいるRB。第3戦オーストラリアGPで角田がシーズン初ポイントを獲得して以降、チームメイトのダニエル・リカルドと共にふたりがコンスタントにポイントを稼いでいる。 またRBは、上位争いから一歩遅れるランキング5番手のアストンマーティンにも接近しており、時には上回ることも。ただランキング7番手のハースも、前戦オーストリアGPでダブル入賞を記録するなど中団争いの中で勢いを見せている。 コンストラクターズランキングでアストンマーティンに迫るチャンスはあると思うか? と聞かれた角田は次のように答えた。 「今のところはそうですね。ただハースにも注意しなければいけません。ハースのパフォーマンスはとても良いと思います。今回はアップデートしたみたいですし、高速域ではかなり速いですからね」 「あのクルマは空力効率がとても良いと思います。だからここでも彼らのパフォーマンスはとても良いと予想しています。僕らとしては彼らと逆で、低速コーナーが得意です」 「だから簡単な戦いにはならないと思います。ハースもきっと僕らの戦いに加わってくるでしょうし、アストンも今は苦戦しているみたいなので、それは僕らにとっては少しラッキーなことだと思います」 「でも彼らが大きなアップデートした時などには、きっとまた復活してくるはずですし……僕らはまだ厳しい戦いの中にいます」 「僕らのマシンが中団グループのトップではないことは確かです。だから僕らはただ集中し続けるだけです」 RBはスペインGPで大型アップデートを投入したものの、これが十分に機能せず。続くオーストリアGPには新旧パーツを織り交ぜたパッケージを持ち込み、リカルドが9位に入賞してポイントを持ち帰った。 イギリスGPにも“ハイブリッドパッケージ”を持ち込んでいると明かした角田。アップデートが素直に機能しなかったことからも、チームは学びを得たと語った。 「最終的に、僕らはここでハイブリッドパッケージのような形で走ることになります」と角田は言う。 「両方を使う訳ですが、結論としては……何が問題を引き起こしていたのかを明確に理解する必要がありますが、僕らがパフォーマンスを発揮できなかった理由の大半は解消することができました」 「実際、僕らにとっても良い勉強になりました。この新しいチームや、時に上手くいかなかったアップデートが、何が問題だったのかを教えてくれましたし、今後のために前進することができましたからね。僕らにとっては良いデータでした」 なお、アップデートの問題はリヤウイングがバタつくだけではなかったのか? との質問に対して角田は次のように答えた。 「いやリヤウイングだけではありません。ボディーワークのほとんどを変えましたし、フロアも変えました。リヤウイングもほんの少し原因ではありますが、正直なところ他のモノによることでした」
滑川 寛, Jonathan Noble
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