【解説】“本好きたちを憎んでいた” 芥川賞受賞「ハンチバック」…著者の市川さんが作品で訴えたことは
日テレNEWS
19日、芥川賞の受賞作品が「ハンチバック」に決まりました。重度の障がいがある女性が主人公で、鋭くユーモアあふれる言葉で生活が描かれています。作者の市川沙央さんが、記者会見で語った言葉が印象的でした。 芥川賞受賞 「ハンチバック」作者 市川沙央さん 「私は強く訴えたいことがあって、去年の夏、初めて純文学を書きました。それがハンチバックです。なので、こうして芥川賞の会見の場にお導きいただいたことは非常にうれしく、“我に天祐あり”と感じています」 電動車いすに乗り登壇した市川さんは、デビュー作の受賞に“我に天祐あり”、つまり天の助けがあったと喜びを語りました。 ◇3月に卒業したばかり ◇難病の「当事者として」 以上の2点について詳しくお伝えします。
■3月に早稲田大学を卒業 在学生からも喜びの声
市川さんがどんな人か見ていきます。 市川沙央さんは1979年生まれの43歳。筋力などが低下する筋疾患の「先天性ミオパチー」という難病を患っていて、人工呼吸器、電動車いすを利用しています。市川さんは、早稲田大学人間科学部の通信課程を今年の3月に卒業したばかりです。 19日、早稲田大学の学生からも喜びの声が聞かれました。 早稲田大学3年生 「同じ大学でそんなすごい賞をもらっている人がいるのを尊敬します」 早稲田大学3年生 「もともと本が大好きなので、書店で探して読んでみたいなと思う」 大学周辺の書店では、入り口の一番目立つところに置かれていて、早々に買って帰る学生の姿もありました。
■障がいがある主人公の女性を“ユーモア”を交えて描く
この作品、市川さんの人柄が現れています。この作品は市川さんと同じ病気の女性を主人公としています。ユーモア交じりに描かれていて、このユーモアこそが市川さんの持ち味です。 19日の会見でも、ユーモアあふれるやりとりがありました。 芥川賞受賞 「ハンチバック」作者 市川沙央さん 「この場所はニコニコ(動画)で最近、予習していました。だから、こういう感じかと感慨深いです」 ――笑わせるのは好きですか 芥川賞受賞 「ハンチバック」作者 市川沙央さん 「全然そういうことはないです。まじめにやっています」