富岡西・選手紹介/18止 磨いた観察眼、皆の力に 稲垣駿一内野手(1年) /徳島
<第91回選抜高校野球> 「野球が好きな気持ちは誰にも負けない」と胸を張る。試合や練習で苦しい時も、弱音を吐かずに笑顔でプレーがしたいとの思いを込めて、グラブには「一笑懸命」と刺しゅうを入れた。 昨秋は練習試合で左膝の靱帯(じんたい)を痛め、実戦から1カ月遠ざかった。四国大会のメンバーから外れ、焦りを感じたが「今は治療に専念しよう」と開き直った。足への負担が少ない練習をこなしながら、試合では相手チームを分析するなどプレー以外でチームに貢献できないか模索した。 センバツでは一塁コーチャーを務める予定。相手の守備位置を観察して瞬時に状況判断し、一発で走者に伝わる的確な声出しを心がける。治療中に磨いた観察眼が生かせる役割だ。「メンバーに選ばれた自覚と責任を持ってチームに貢献したい」。幼い頃から父に連れられて、憧れのまなざしで甲子園を見つめていた。今度は自分が夢の舞台で躍進を遂げる番だ。【岩本桜】=おわり