4度にわたり衝突「中東戦争」ってどんな戦争だった?
中東戦争後の中東
1979年、アラブ諸国で唯一全ての中東戦争に参加していたエジプトが単独で、イスラエルとの平和条約に調印。エジプトの損失が大きすぎることからきた決定でした。その結果、イスラエルとアラブ諸国の直接的な衝突は影をひそめました。 しかし、これによってアラブの一般市民の間には、自国政府がイスラエルのパレスチナ占領を「見逃す」ことへの不満が増幅。過激なイスラム思想の高まりとともに、パレスチナ問題は多くのイスラム系テロ組織の求心力になってきたのです。 一方、イスラエルに敵意を示し続ける国もあります。厳格なイスラム国家イランは、イスラエルを念頭に核やミサイルを開発しているとみられます。また、第三次中東戦争で領土の一部であるゴラン高原を占領されたシリアは、その後も反イスラエル・イスラム組織の「ヒズボラ」を支援してきました。 こうしてみたとき、中東戦争の残した爪痕は、中東に今も深く残っているといえるでしょう。 (国際政治学者・六辻彰二)(動画制作:TOMOニュース)