日本の小型株が大型株をキャッチアップ、割安感や米利下げ観測追い風
(ブルームバーグ): 日本の大型株のバリュエーションが高水準で推移する中、米連邦準備制度理事会(FRB)が年内に利下げに踏み切るとの観測が追い風になり、劣勢だった小型株が徐々にパフォーマンス格差を縮めている。
TOPIXスモール500指数は過去3カ月で7%近く上昇し、時価総額と流動性上位30銘柄で構成されるTOPIXコア30指数の上昇率のほぼ2倍だ。年初来ではスモール500の上昇率は10%と、コア30の19%に及ばない。
日経平均株価は3月に史上最高値を更新した後、日本の通貨当局による為替介入リスクや世界的な金利の高止まりが警戒され、ピークから6%調整したが、大型株のバリュエーションはなお高水準だ。このため、大型株まだ割高だと判断する市場関係者は少なくなく、小型株の再評価機運につながっている。
イーストスプリング・インベストメンツのアジア株式ポートフォリオ・スペシャリスト、ケン・ウォン氏は「バリュー株、特に中小型バリュー株には多くの価値がある」と指摘。ウォン氏によると、日本の中小型株の約40%は株価純資産倍率(PBR)が1倍を下回っているという。東京証券取引所の最上位市場であるプライム市場銘柄のPBRは1.5倍だ。
ゴールドマン・サックス・グループは、これまでの日本株の上昇局面で中小型株は出遅れたが、投資家の間で大型株への物色集中に対する懸念が依然として残る中、中小型株に注目する絶好の機会だとみている。
日本株チーフストラテジストのブルース・カーク氏は「日本市場の大型株のバリュエーション・プレミアムは現在、過去の平均に比べ高水準に達している」とし、「日本の中小型株の投資機会は比較的大きい」と指摘した。
また、ゴールドマンによると、日本の小型成長株は米金利との逆相関が高く、FRBが年内にも政策金利を引き下げる可能性があることは魅力的だという。小型成長株は今年下期にかけて世界的に人気を集める可能性があり、調査を増やすべきだとの見方を示す。