音声対話型の生成AI、自然な速度・世間話で孤独な利用者に寄り添う…ロート製薬が開発
ロート製薬は、孤独・孤立の解消を支援する音声対話型の生成AI(人工知能)を開発したと発表した。利用者に寄り添って悩みなどを聞き出すことを重視し、相手に合わせた自然な速度で対話するのが特徴だ。 【ひと目でわかる図解】音声対話型生成AIのイメージ
東大発のAI開発の新興企業や児童精神科の医師の協力を得た。パソコンやタブレット端末で利用でき、対話は音声入力と、文字入力によるチャット形式のどちらかを選べる。
「チャットGPT」に代表される生成AIは、短時間で効率的に質問に答えるのが一般的だ。ロートの開発したAIは、「調子はどうですか?」といった世間話も交えて話を引き出し、利用者に、内省や振り返りを通じて新たな気付きを促すという。不安をあおるような回答は避ける。
利用した不登校の子ども30人の9割以上が「楽しかった」と回答し、中には「悩みを聞いてもらい、心が軽くなった」「AI相手で、遠慮せずに悩みを話せた」とのコメントもあった。今後、自治体や企業と協業し、具体的な活用方法を検討するという。対話型のAIを巡っては、頻繁にやり取りを続けると孤立を深める恐れがあるとの指摘もある。