「うどん県」香川の食卓ピンチ、小麦高騰で世界が争奪戦 ウクライナ侵攻の思わぬ影 #生活危機
うどん原料争奪戦
小麦やトウモロコシなどの高騰に加え、ロシアが輸出シェアを握るエネルギーや肥料の価格も高止まりが続く。すでにアフリカや中東では食料危機が深刻化しており、WFPによると、今年に入って飢餓人口は2億8200万人から3億4500万人へと急増した。 資源・食糧問題研究所の柴田明夫代表は、食料危機は「一過性ではない」と断言する。 「今年は供給が滞って食料危機が起き、小麦は奪い合いのような形になりました。来年は肥料が与えられずに生産が落ち込む農業危機になる懸念があります。肥料を輸入に依存する日本も他人事ではありません」 食料が足りなくなったらどうなるのか。国連貿易開発会議(UNCTAD)は10月の報告書で、ウクライナ戦争で「世界の食料市場で貿易戦争が起きかねない」と奪い合いへの警鐘を鳴らす。 うどんもその例外ではない、と大峯さんは感じている。 うどん用小麦の9割は豪州産だが、中国が豪州からの調達を増やしているのだという。 「豪州の農家さんは、我々が使う小麦より簡単につくれて、同じような値段で買ってくれる中国の品物をつくろうとするわけです」 地球の反対側に位置しながら、小麦を介してつながるウクライナとうどん県。 大峯さんは言う。 「まるっきり吸い付いていますよ。一緒です。うん。もう、世界は小ちゃくなりました」 「#生活危機」は、Yahoo!ニュースがユーザーと考えたい社会課題「ホットイシュー」の1つです。 急速な円安の進展、相次ぐ値上げ、光熱費の高騰ーー私たちの生活は今後どうなるのか、危機に陥った生活をどのようにして立て直すのか。Yahoo!ニュースと一緒に考えてみませんか。