山一番に「油天神山」「黒主山」、くじ取り式…「安寧願って巡行したい」
祇園祭のハイライト・ 山鉾(やまほこ)巡行の順番を決める「くじ取り式」が2日、京都市議会の本会議場であった。くじを引く山鉾の中で先頭となる「山一番」は、 前祭(さきまつり)(17日)は油天神山、 後祭(あとまつり)(24日)は黒主山だった。 式は、争いを避けるために応仁の乱後の1500年に始まったとされる。慣例で巡行順が固定されている「くじ取らず」の10基を除く24基の代表者らが、松井孝治・京都市長の立ち会いのもと、緊張した面持ちで次々とくじを引いた。 【写真】後祭で「山一番」を引いた黒主山の加藤さん(京都市中京区で)
22年ぶりの山一番となった前祭の油天神山は、学問の神・菅原道真を山上の社殿にまつり、朱塗りの鳥居や道真ゆかりの紅梅の飾りが特徴。油天神山保存会代表理事の鳥井芳朗さん(73)は「うれしく思っている。疫病退散や平和と安寧を願って巡行したい」と表情を引き締めた。 6年ぶりの山一番の黒主山は、謡曲「志賀」を題材に、満開の桜を仰ぎ見る歌人・ 大伴黒主(おおとものくろぬし)をご神体としている。 初めてくじを引いたという黒主山保存会の加藤晃久さん(39)は「1番を引くことができ、 安堵(あんど)している。活気ある町内なので、ぜひ足を運んでもらえたら」と喜んでいた。