「彼のパワーには本当に感心させられる」ドジャース・ロバーツ監督が選んだ大谷翔平のベストプレー
ドジャースのデーブ・ロバーツ監督(51)が大谷翔平投手のベストプレー、ド軍のベストゲームを選ぶ新企画「Robert Selection」がスタートする。沖縄生まれでMLB屈指の名門を率いる指揮官は、大谷とも良好な関係性を築き、スポーツ報知読者の間でもおなじみの存在となっている。月1回、シーズンの気になった場面をセレクトしてもらい、その思いを語ってもらう。 【動画】「何十本、何百本も打てるように頑張りたい」大谷翔平、決意表明の肉声…ドジャースが公開 大谷翔平、山本由伸の加入で目が離せないドジャース。ベッツ、フリーマンとスタープレーヤーの活躍にも注目だが、その愛くるしい笑顔で選手と肩を並べる人気者がロバーツ監督だ。「まさか自分が大リーグのチームの監督になるなんて、考えたこともなかったよ」と豪快に笑う指揮官が、スポーツ報知の「監督、選んでください!」の企画に参加してくれることになった。 「私は今、とてもハッピーなんだ。監督をする方が、プレーするより好きみたい。ウチの選手たちは心から純粋にお互いのことが好きで、チームが勝利するためにプレーする。野球は個別にプレーできる面もあると思うが、ウチの選手は毎日、チームの勝利のために一丸になる。私は監督としてそういうチームを指揮することをとても楽しんでいるんだよ」 大谷との関係も楽しんでいるように見える。大谷の試合後の囲み取材に「エクスキュ~ズミ~」と陽気な声を上げて乱入してきた日があった。 「あれは楽しかった(笑い)。彼が私の本塁打記録を破った試合。翔平が打って、ダイヤモンドを回って、ベンチに戻ってきた時、お互い顔を見合わせて、ハイファイブ(ハイタッチ)。あれは実にいい瞬間だったよ」 4日(日本時間5日)の本拠でのブレーブス戦で、8号ソロを放ち、大谷に自身の持つ日本生まれの選手のド軍最多本塁打記録を更新された。それが楽しくて仕方ないという。ならば監督! ズバリ、大谷のここ1か月のベストプレーは? 「いきなり難しい質問だねえ(笑い)、う~ん…やっぱり、5日(同6日)のブレーブス戦(※1)だね。あれは本当に感心した。フリードのカーブをホームランにして、その後に左のミンターから一発。いい投手たちを相手にああいう打球を放つ彼のパワーには本当に感心させられる」 メジャーでも一級品と言われるフリードのカーブを打って9号先制2ラン。2本目は左翼から右翼方向に吹く逆風の中、バックスクリーン左へ今季自己最長の飛距離464フィート(約141・4メートル)。2本塁打を含む今季初の4安打で、打撃9部門でメジャートップになった試合だ。 9日(同10日)現在、ド軍は26勝13敗でナ・リーグ西地区を独走中。そんなチームのこれまでのベストゲーム、監督、選んでください! 「一つだけを選ぶのは難しいなあ…。でも、やっぱり、あのアリゾナの第1戦だね。打者44人が打席に立って三振が1個もなかった試合。球団史上18年ぶりという実にいい試合だった。18年も起きなかったことが起きたんだから、すごく興奮したね。三振が一つもなかったということはラインアップの一人ひとりが自分の打席を全うして、みんなが頑張ったからの記録。だから、これを選んだよ」 4月29日(同30日)の敵地でのDバックス戦(※2)。大谷も初回に粘って7球目を中前安打。0三振勝利に貢献していた。 「一つひとつのプレーが調和した時、私は監督であることに最も誇りを感じる。私は自己犠牲を伴うプレーに心から敬意を払う。チームの勝利のためにそういうプレーをしてほしいと常に願っているが、幸運なことに4月の終わりにはそういう試合がたくさんあった。すばらしいことだ」 4月21日(同22日)のメッツ戦から6連勝と波に乗り、16戦14勝と驚異的な強さのド軍。日本人の母を持つロバーツ監督は、“個人よりド軍”という「和」の野球を楽しんでいた。 ※1 本拠ブレーブス戦で、大谷は4打数4安打3打点。初回に2戦連発の9号先制2ラン、8回には10号ソロを放ち、移籍後初の1試合2発。2本目は逆風を切り裂く中堅左への特大弾で、4年連続6度目の2ケタ本塁打を達成。 ※2 敵地Dバックス戦はドジャースが8―4と快勝。延べ44人の打者が一人も三振せず、球団18年ぶりの“0三振勝利”を飾った。大谷は2安打1打点。初回に7球目を中前安打とするなど、粘りの打撃を披露。 ◆デーブ・ロバーツ(Dave Roberts)1972年5月31日、沖縄・那覇市生まれ。51歳。米サンディエゴで育ち、94年ドラフト28巡目でタイガース入団。2002年からプレーしたドジャースでは野茂、石井一らと共闘するなど6球団に在籍し、08年に現役引退。俊足外野手として通算832試合で243盗塁。引退後は10年に見つかった血液のがんを克服。パドレスのフロントや一塁コーチを務め、15年から28代目ド軍監督。日系のメジャー監督は史上2人目。
報知新聞社