抽選販売の日時でネットがざわつく 独学で時計づくりを学んだ片山次朗氏の大塚ローテック「7.5号」 世界が注目する日本時計の傑作!
理系男子の心が躍るメカニック感が魅力!
高度な技術や洗練されたデザイン、独特の美意識をもって独自の進化を遂げてきたのが日本メーカーの時計! 【写真3枚】世界中の時計好きが抽選販売の日時の公表を待ち望む、いま注目の時計師、片山次朗の傑作、大塚ローテック7.5号 こんな時計見たことない! ヴィンテージの再解釈と最新ムーブメントとの融合、和の美に通じる凝った意匠のダイアル、そしてジャパン・メイドの高品質はいまや海外の時計愛好家たちをも魅了するまでになっている。そんな時計好きを唸らせる「メイド・イン・ジャパン」の魅力的なモデルのなかから、今回取り上げるのは大塚ローテックた。エンジン時計委員の“推しの国産時計”はこれだ! ◆エンジン時計委員、高木教雄のイチオシはこれ! ◆大塚ローテック7.5号 90年代にトヨタのカーデザインを手がけたプロダクトデザイナーの片山次朗氏が独立後、独学で時計製作を習得し、2012年から大塚ローテックの腕時計を販売開始。ジャンピングアワーにディスク式の分および秒表示を組み合わせたユニークな「7.5号」は、スイスの国際時計博物館の収蔵品、iFデザインの受賞作品としても有名な傑作。自動巻き。ステンレススティール、ケース直径40mm。2024年価格35万2000円(抽選販売)。 ◆理系男子の心が躍るメカニック感 見た瞬間、友人の父親が営む町工場で旋盤を触らせてもらい、金属を削って遊んでいたころを思い出し、理系男子の心が躍った。 作り手の片山次朗さんは、Yahooオークションでたまたま旋盤を落札してしまったことをきっかけに時計製作に手を出し、Google先生に頼りながら、たった一人でこの時計を作り上げたのだという。モノ作りをあきらめた、今の自分を恥じたい。 ジャンピングアワーとディスク式の分・秒表示の組み合わせは1930年代から存在し、決して珍しいものではない。その大半が角形の鉄仮面状である。それを丸形として、各表示窓を突き出させてプレートでつなげ、まるで古いムービーカメラのターレットのように仕立てるのが片山ワールドの真骨頂である。 各書体も片山さんのデザインで、レトロな味わい深さを感じさせる。一人手作りしていた時計は、やがて世界中の時計ファンに見つかり、抽選販売の日時が発表されるとネットがざわつくようになった。倍率は、かなり高い。手に入れるため、明日から徳を積むべし。 文=高木教雄 (ENGINE2024年12月号)
ENGINE編集部
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