清潔な水もプライバシーもない、レバノン避難民女性が明かす「生理の苦痛」
イスラエルによる攻撃で避難を余儀なくされているレバノンの女性たちは今、月経周期のたびに苦労を強いられている。ほとんどの避難所が満員のため、清潔な水が不足しているほかプライバシーも保たれておらず、ある女性は生理用ナプキンの交換が苦痛になっていると明かした。 レバノンの避難所で暮らす女性たちは今、月経周期のたびに苦労を強いられている。 ラハブ・アルハッジ・ユセフさん 「体を洗って着替えるのに必要な水がないことも。水が足りない」 イスラエルの攻撃により、ユセフさんの家族はレバノンの自宅から避難した。ユセフさんは今、学校を改装した避難所で限られた水を数百人と分け合っている。 「下着を洗わなければならない。娘が凍えるような水で体を洗い、着替えて生理用ナプキンを付けられるよう、トイレのドアの前で待っている」 1100カ所以上の避難所で暮らす人々にとって、衛生面への懸念は高まるばかりだ。 イスラエル軍とレバノンの親イラン武装組織ヒズボラの戦闘激化を受け、120万人が避難を強いられ、多くの避難所は満員となっている。 生理用ナプキンを配布する非営利団体リリーフ・インターナショナルのリタ・アブ・ナブハンさんは、水不足が最大の恐怖だと話す。女性たちが体を清潔に保つこともできない状況の中、どうやって生理用ナプキンを使うべきかという疑問も上がっている。 また、プライバシーの問題もある。共用トイレにはゴミ箱がなく、交換時には廃棄用の袋を持参しなくてはならない。 避難民の女性 「現状に泣いている。子どもたちも私も、屈辱を受けている。避難を余儀なくされ、家も失った」 国連の集計では、新たな避難民には1万1000人以上の妊婦も含まれるという。こうした女性の多くは、産前ケアや栄養、清潔な水、衛生用品を必要としている。 WHOは既に避難民の間で、はしかやA型肝炎などが報告されていると指摘。「劣悪な環境下」の避難民が増えれば、さらなる感染拡大の可能性があると警告した。