アップル幹部リッチオ氏、退職へ-MRヘッドセット分野への進出指揮
(ブルームバーグ): 米アップルで複合現実(MR)ヘッドセットへの進出を指揮し、ハードウエアエンジニアリング責任者も以前務めたダン・リッチオ氏が退職する。
ティム・クック最高経営責任者(CEO)直属の副社長を務めるリッチオ氏が今月、アップルを退職することが、事情に詳しい関係者の話で分かった。同氏率いるビジョン・プロダクツ・グループの従業員は、アップルのハードウエア担当トップのジョン・ターナス氏が責任者になると伝えられた。同部門にはヘッドセットや関連技術に取り組む数千人のエンジニアが所属する。
関係者によれば、リッチオ氏を現在補佐するマイク・ロックウェル氏が引き続き日々の業務で同グループを統括していく。同社の広報担当者はコメントを控えた。
リッチオ氏の退社は、アップル経営陣から離脱する人事として最も重要なものの一つだ。だが、しばらく前からその準備は進められていた。3年前には上級副社長から副社長に役職名が変わり、12人で構成するエグゼクティブチームからも外れた。これは、最終的な退職に向けた一歩だった。
同氏はアップルに26年間在籍し、時に物議を醸す動きに出ることでも知られたが、重要な人材採用や買収推進を行い、主要な新製品誕生につながった。MRヘッドセット「Vision Pro」開発や、最終的には断念した電気自動車(EV)プロジェクトなど、アップルにとって大きないくつかの賭けを監督した。
原題:Apple’s Riccio, Key Executive in Jobs and Cook Eras, to Exit (2)(抜粋)
--取材協力:Austin Carr.
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Mark Gurman