隅田川の〝通勤新線〟 水の上は速くて爽快だった
さて、通勤という以上〝ライバル〟となるだろう地下鉄と比較してみた。豊洲―日本橋は直行路線がなく、一番便利なのは有楽町線の銀座一丁目から銀座線の銀座駅まで地上を歩く改札外乗り換えで178円(ICカード利用)、約20分かかる。地上に出ない改札内乗り換えだと有楽町線、大江戸線、東西線の3線を乗り継ぎ、やはり約20分かかるが運賃は464円かかる。船は500円なのでそう大きな違いはない。だが、比較しても意味はない。運航を支援する東京都も「通勤手段の新たな選択肢の一つにしてくれれば」と話す。今春には晴海―日の出間にも二つ目の〝舟旅通勤〟が計画されているという。 渋滞なし、混雑なし、そして川を疾走する爽快感。〝通勤新線〟として今後定着していくかどうか―、成り行きが楽しみだ。川や運河で多くの〝舟旅通勤〟がそこかしこでみられるようになれば、東京の風景ももっと変わっていくことと思う。 ☆共同通信・植村昌則