歩道で卵は焼けるの? 科学的に解明!
※この記事は、海外のサイト『delish』で掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。 灼熱の猛暑日が続きガスコンロを使うのは気が進まないこの時期、「歩道で卵を焼くことって本当にできるのかな」とふと疑問に思ったことはない? この好奇心は、ネットのネタ話やたまに行われる科学的実験に後押しされて古くから何十年も存在している。 とはいえ、これって実際に実現可能なの? この謎を科学的に解明してみよう!
外気温はどれくらい暑い必要がある?
世間で考えられている予想に反して、単に暑いだけでは不十分。カラッとした暑さは湿度の高い天候よりもはるかにいい働きをする。さらに、イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校のネナード・ミルコビッチ教授によれば、風が吹いていると表面がそれほど熱くならないため、気流速度もこの試みに影響するという。 「通常、空気の温度が43~46℃を超えることはありませんが、太陽光を吸収できる表面であれば、その表面は周囲の空気よりもはるかに高温になる可能性があります」と『USAトゥデイ』に語った教授。ただし、決定的な要因となるのは気温だけではない。むしろ、もっとも重要なのは歩道の表面温度だ。
歩道はどれくらい暑い必要がある?
卵を完全に調理するには、歩道の温度が70℃に達する必要があると推測される。しかし現実では、たとえ最高に暑い日でも、歩道の温度がそこまで上昇することはめったにない。コンクリートやセメントの歩道は、その明るい色味から熱が効率的に伝導しない。いっぽうで、暗いアスファルトの歩道では可視光がより多く吸収されるので、表面がより熱くなる。 とはいえ、歩道が熱いだけでは十分とは言えない。「65~68℃に温まった道路上に卵を割ると、道路の表面温度が下がり、その温度はすぐには元に戻りません」とニューヨークのレストラン「ストレッチピザ」のシェフであるワイリー・デュフレーンさんは『スミソニアン・マガジン』に語っている。「フライパンに卵を数個割り入れると、すぐに温度が下がりますが、火のついたコンロの上ならすぐに温度が回復します。歩道や車道ではこうは行きません」