【阪神】甲子園球場開場100周年まであと100日 調子を上げてきた2年目の森下翔太が抱く大きな野望
阪神・森下翔太外野手(23)が好調だ。開幕当初は打率1割台と苦しんだが、直近の甲子園6連戦は打率4割5分、1本塁打と本来の打撃が復活した。8月1日の甲子園球場開場100周年まであと100日。入団2年目を迎えた成長株の聖地・甲子園への思いと野望に迫った。 スタンドのボルテージが最高潮に達する。「ライト~森下~翔太」。試合前のシート紹介。大歓声を浴びる森下は帽子を取り、スタンドの四方に頭を下げる。「プレー中はなかなかできない。少しでも感謝を伝えられるように、一番最初にやるようにしています」。昨季途中から続けるルーチンの真意を明かした。 「どんなときも応援してくれる。あれだけ多くのお客さんが、味方になってくれれば心強いから」。開始直前、準備に集中してもいいはず。それでも、観客にとって特別な瞬間だと理解しているからこそ、一度も欠かさない。約10秒間のひとときで、ファンの声援を全力で受け止め、感謝の思いを示す。 真摯(しんし)に向き合うからこそ、聖地にも愛される。開幕直後は打率1割台と不振に苦しんだが、16日からの今季初の甲子園6連戦で全試合安打。20打数9安打で打率4割5分、1本塁打を記録するなど上昇傾向だ。18日の巨人戦で打率を2割台に乗せ、19日の中日戦ではリーグトップタイの4号ソロを放った。開幕当初は「チャンスでしか打てない」と漏らしたこともあったが、聖地での快音とともに笑顔が増えてきた。 甲子園球場開場100周年まであと100日。聖地と同じ8月生まれの森下には一つの野望がある。「甲子園の顔。いつかそんな存在になりたいです」。東海大相模3年時のセンバツで初めて踏んだ聖地は「あこがれの場所」だ。「高校生のころは『やっと来られた』という感じだったけど、だんだん甲子園の雰囲気にも慣れてきた。阪神ファンの応援は熱狂的で、とてもうれしいんです」。生粋のハマっ子だが、イントネーションに関西弁が交じり始めた。大胆不敵な姿は、次の100年を迎える甲子園の象徴となる資質を秘めている。(直川 響)
報知新聞社