鳥居みゆきさん(43) 卒業アルバムの写真を真っ黒に…生きづらさを抱えていた学生時代から「従うのは自分の心」|STORY
お笑い芸人としてだけでなく、俳優や小説家、絵本作家としても活躍している鳥居みゆきさん。その一方で、周りからは「変なやつ!」と言われ続け、幼少期からずっと生きづらさを抱えてきました。友達ができない…辛かった学生時代の記憶はあまり残っていない鳥居さん、それでも自分を貫いてこれたのは、ありのままを受け入れてくれる身近な人たちのお陰だったといいます。発せられる言葉の一つ一つが胸を打つ、鳥居みゆきさんのお話です。(第1回/全4回) 【写真あり】「やっと自分を見ることが嫌じゃなくなった」鳥居みゆきさんの表情
頭では理解しているけれど心に従うことを優先していた
思ったことはすぐ口に出す、“なんのためにそれをするのか”を理解しないと先に進めない子でした。たとえば、かけ算もかけるゼロの意味が理解できないとできないんです。“なんで?”本当の意味での理解に追いつかないとやりませんでした。ゼロが答えなのは分かっているし書けるけれど、「あえて書かない」を選んでいました。周りが求めていることもわかっていたんですけど、自分に対して素直に、曲げることを許せませんでした。校歌もそう。誰に何も言われてないのにアルトのパートでハモるように歌っていました。「なんか下のほうの歌が聞こえない?」と言われたけど、「ダメ」とは言われていないし、人に危害を加えること以外は自分の心に従っていましたね。変だとか、変わってんねと言われてましたけれど。
変って、そんな悪い意味ではなかったように思う
私が小学生くらいの頃は、“変”って、みんなしょっちゅう言ってましたよね。「変わってんねー」は特徴のひとつを言ってる、くらいで昭和ではあまり悪い意味で使われていなかったから、大して気にせず、うるさいなーって思うくらいでした。変ていうならあんたたちのほうが、という気持ちもありましたし。そこまで「あの子障がいあるんじゃない?」ともなりませんでした。当時は、障がいといえば、養護学校に行く子たちの認識で。今はたくさん情報が溢れているせいで、発達障害の定義が広がりすぎのような…? 病院で診断されたほうが安心できる人もいれば、診断されないでいいって人もいると思うんです。「あの人、発達障害だから病院行ったほうがいい」とか、あまり気軽に言って欲しくないですね。それは自分が困難だなと思った時に、自分や親などが判断すること。それを周りが決めつけないでほしいなと思います。