「テスラ」と「プリウスPHV」どっちがスゴイか?
プリウスPHVの不幸
2015年現在、プラグインハイブリッドはオーナーにほとんど制約をかけないエコカーとして最も現実的な選択肢であるにも関わらず、プリウスPHVは売れていない。そこはトヨタが宣伝に失敗したという面もあるだろう。プリウスPHVを「充電プリウス」などと呼ぶことがそもそも間違いだ。プリウスPHVは「電欠しない真面目な電気自動車」として売らなければその価値が伝わらない。そして多分、その失敗は高くつく。次のモデルではおそらくバッテリーの容量を増やしてくるはずだ。せっかくエンジニアが考え抜いた合理性はゴミ箱に放り込まれ、精神的に後退した仕様になってくる予感がひしひしと感じられる。 プリウスPHVとテスラの話は、本当はこの先、自動車産業の垂直統合と水平分業の話へと続けたい。水平分業が必ずしもいいとは限らない話を書きたいのだが、すでにあまりにも長くなった。その話はいつかまた別の機会に書くことにしよう。 (池田直渡・モータージャーナル)