山口智子「糸井さんに育てていただいて大人になった」念願の糸井重里との対談が実現!
TOKYO FMで月曜から木曜の深夜1時に放送の“ラジオの中のBAR”「TOKYO SPEAKEASY」。今回のお客様は、ほぼ日代表の糸井重里さんと俳優の山口智子さん。長年、糸井さんとの対談を熱望していた山口さん。その思いのたけを糸井さんにぶつけました。
◆糸井重里の影響を大きく受けた山口智子の学生時代
山口:私はずっと(対談を)熱望していたんです。いろんなところで「糸井さんに会いたい」って言い続けてきたのに実現しなくて……お耳に入らなかったですよね(笑)? 糸井:初めて今回そういう話をいただいて……ただ、僕の周りには山口さんのファンが多いんですよ。 山口:まぁ、ありがとうございます。今日はいろんな意味で“記念日”になります。 糸井:ありがとうございます。 山口:なぜ対談したかったかというと、私は糸井さんに育てていただいて大人になった感があるんですよ。 糸井:ウソだぁ(笑)!? 山口:私がちょうど大人になりかかっている20歳ちょい前くらいに「おいしい生活。」とか「不思議、大好き。」とか糸井さんのキャッチコピーをほぼ全部受け止めて、年齢を重ねていけたので、そのことにすごく感謝しているんです。 糸井:ありがとうございます(笑)。 山口:かっこいい一言で世間を“あっ”と覆してしまうくらいの力技で進んでいらっしゃるのを10代から拝見して“この方を追いかけたい!”と思って。 糸井:よわったなぁ(笑)。 山口:(笑)。それで、大学では広告研究会に入って。 糸井:そうらしいですね。 山口:「このコピーがどうだ」って研究していたんですけど……あの時代のコマーシャルタイム(CM)って、すごく夢がありましたよね。 糸井:面白かったですね。 山口:30~60秒という短い時間のなかに、1本の映画を観るぐらいの大感動があって……本編のドラマよりも、合間に流れるCMのほうが楽しみで仕方がなかったですから。 糸井:広告っていうのはもともと嫌われるもので“早く終わればいいのに”と思いながら観ているわけですから、そこがつまらないとどうしようもないですよね。 山口:短いからこそ、それを逆手に取って表現するというのがかっこよくて。もしかしたら、松尾芭蕉とか小林一茶のようなDNAを持つ日本人独特の強みというか、“短いからこそ面白がれる”って思えるのもかっこよくて、そういう一面を垣間見て日本が好きになりましたね。 糸井:作っている側は、あまりそこまで考えていないんですよね。「短い」というのは条件で“このなかで仕事しろ”って言われているわけだから、自分としては当たり前のことをしていただけで“多少でも(世間に)嫌がられないものにしよう”と思っていただけなので……。今になってそんなふうに言ってもらえると“えらいことをしていたな”と思います(笑)。 山口:でも(糸井さんは)日本一楽しそうに見える方だと思います。“楽しく生きている”っぽいですよね(笑)。 糸井:そう言われるのは、すごくうれしいですね(笑)。そういう意味では「僕の影響を受けたんですよ」と言う方が、(僕が)現れる場所にいてくれただけで大成功だと思うんですよ。こうやってラジオでお会いするような方に「影響を受けました」って言われると“やってきて良かったな”と感じられるというか。 山口:なんか、私はすごく(糸井さんに)夢をいただきました。「すこし愛して、ながく愛して。」とか「今の君はピカピカに光って」とか。 糸井:はいはい(笑)。 山口:(キャッチコピーを聞くだけで)一瞬で青春がバッとよみがえると言いますか。 糸井:その頃が(山口さんにとって)いい時期だったんでしょうね。 山口:むしろ苦しかったですけど、ただ芸能界、エンターテインメント界、そして大人に対して憧れや夢を持っていた時期だった気がします。 (TOKYO FM「TOKYO SPEAKEASY」放送より)