履きっぱなしは超便利! でも油断しちゃだめ!!! [オールシーズンタイヤ]は万能じゃないって知ってた?
■高速道路の"冬用タイヤ規制"でも使えるものは?
サイドウォールに"M+S"と刻印されたもののなかには、山岳地を模した"スノーフレークマーク"も刻印されたものがある。 正式名称をスリーピーク・マウンテン・スノーフレークマークといい、このマークがついているものはアメリカのASTM(American Society for Testing and Materials)が行う試験により、より厳しい寒冷地でも性能を発揮できる冬用タイヤとして認証されたことを意味する。 このスノーフレークマークがついていれば、高速道路の"冬用タイヤ規制"が出ているなかでも走行可能。 そのため、毎年ある程度の積雪が予想される地域で、1年を通してオールシーズンタイヤを使いたいという場合はこのスノーフレークマークがついているタイヤを選ぶのがお薦めだ。 ただし、スノーフレークマークつきのオールシーズンタイヤであっても、アイスバーンなど凍結路での走行性能はスタッドレスタイヤに劣り、さらに雪が深くなった場合の"全車両チェーン装着規制"のもとではこのオールシーズンタイヤはもちろん、スタッドレスタイヤであってもチェーン装着が必須となる。 チェーンを装着していない場合は規制区間の走行が禁止され、これに違反して走行すると3カ月以下の懲役または5万円以下の罰金となる。
■なぜオールシーズンタイヤ=V字デザインが多い?
1977年にアメリカで初めてオールシーズンタイヤを発表したのはグッドイヤー。そして、日本におけるオールシーズンタイヤの先駆けとして知られるグッドイヤーの特徴的ルックスとも言えるのが"Vシャープドトレッド"と呼ばれるトレッド面。 これは真ん中から左右にV字に伸びる溝が特徴で、このデザインにより雪道でのトラクション性能を引き出し、シャーベット状の雪の排雪性能にも優れている。 この "V字デザイン"がオールシーズンタイヤとしてユーザーに刷り込まれることになり、以来、多くの他タイヤメーカーも追従することになった。
■オールシーズンタイヤをお薦めするのはどんな人?
オールシーズンタイヤは降雪量・降雪頻度の少ない場所に住む人には有効。 都心部のような積雪が年に1回あるかないかであればオールシーズンタイヤは1年を通して使えるのでお薦め。 しかし、豪雪地帯や冬季に頻繁に路面が凍結する場所に住む人、スキーやスノーボードなどのウインタースポーツを楽しむために雪道をよく走る人にはやはり夏タイヤ&スタッドレス(さらにチェーン)がお薦めだ。 オールシーズンタイヤは夏用タイヤと冬用タイヤの良さを兼ね備えてはいるが、すべての路面で"優"ではなく"良"を目指したタイヤともいえるだろう。