ロンドンの家賃高騰が緩和、英国内で最小の伸び-それでも月55万円
(ブルームバーグ): ロンドンの住宅賃料高騰に緩和の兆しが見られ始めた。空室物件の急増により、募集賃料の伸びが英国内で最も低い地域の一つにとどまった。
英不動産ポータルサイトのライトムーブによると、5月のロンドンの家賃は前年同月比で4%上昇した。だが、平均家賃は月2652ポンド(約55万円)と、極めて高い水準のままだ。
英国のそのほかの地域では、ウェールズだけが同様の小幅な上昇だった。家賃上昇率は賃金の上昇ペースよりも緩やかで、家計への圧迫が緩和されつつあることを示している。
ライトムーブは、ここ数年に賃貸料を高騰させた深刻な物件不足に歯止めがかかったとも報告。家賃は特にロンドンで大きな問題で、家賃の高さと物件不足はロンドンに働く場を求める人々にとって最大の制約となっている。
ライトムーブによると、ロンドンへの引っ越しを希望する賃貸人が15%減少した一方、空室物件は16%増加しており、市場の需給は過去1年で最大の改善が見られた。
こうした数字は、ロンドンの賃貸生活者が強いられている生活費の厳しいひっ迫が緩和されつつある兆候を示している。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)が収束し、ロンドンに戻る人が急増したが、市場に出回る新規物件は少なく、2022年の家賃上昇率は18%に達した。
ロンドンの家賃の伸びは落ち着いたとはいえ、その高さは国内で群を抜く。国内で最も安い地域と比べ、ロンドンの家賃は月1758ポンド高い。
ライトムーブによると、ロンドンの状況は劇的に改善されたが、全国の家賃の伸びを2%に抑えるにはさらに約12万件の賃貸物件が必要だという。ロンドンを除く地域の平均では7%上昇して月1316ポンドと過去最高を更新。イングランド北東部で伸びが最も大きかった。
原題:London’s Sky-High Home Rents Finally Growing Slower Than Wages(抜粋)
(c)2024 Bloomberg L.P.
Tom Rees