ポンドが上昇、対円で16年ぶり高値-市場の見方は強気に転じる
(ブルームバーグ): 28日の外国為替市場で、ポンドは円に対して16年ぶりの高値を付けた。ユーロとドルに対しても、それぞれの節目となる高値水準へ近づいている。イングランド銀行(英中央銀行)が他の中央銀行よりも長く金利据え置きを続けるとの見方をトレーダーは強めている。
ポンドは対円で200円61銭まで上昇。対ユーロでは2022年8月以来の高値に向かっている。対ドルでは約10カ月ぶり高値まであと1%前後だ。
円は対ポンドで約16年ぶり安値、英利下げ観測後退で金利差意識
米商品先物取引委員会(CFTC)が公表した最新のデータによると、21日までの週にヘッジファンドなど大口投機家はポンドに対して強気に転じた。わずか2週間前、ポンドのポジショニングは21年12月より後で最も弱気に傾いていた。ポンドの持ち高が強気となったのは、今月に入って初めて。
ポンド強気に投資家が転じた背景には、大半のG10諸国よりも英国の高金利が長く続き、英中銀の政策緩和が遅れるとの見方がある。これによりポンドは引き続きキャリー取引の魅力的な投資先になると見込まれる。
ポジショニングに関する最新のCFTCデータは「ボラティリティーが例外的に低い市場で、キャリーの投資意欲が続いている」ことを裏付けていると、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)の為替調査責任者、デレク・ハルペニー氏はリポートで指摘した。
5月のポンドは対ドルで昨年11月以来の大幅上昇を記録する勢い。年初来の対ドル騰落率では、G10通貨のうち最高のパフォーマンスとなっている。
原題:Pound Nears Multi-Year High Versus Peers as Traders Turn Bullish(抜粋)
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Naomi Tajitsu