東南アジアで嫌韓感情が爆発している…タイ人観光客が韓国行きをキャンセルして日本にやってくる深い事情
■「韓国人は東南アジアに対してあまりにも人種差別的だ」 この韓国人男性の動画が拡散、炎上したのは約3年前の出来事だが、実は近年、このような韓国人による「インドネシア人差別」が批判の的になる事件が立て続けに起きている。 「インドネシア人は肌が黒い。東南アジアで最も醜く、脂肪もたっぷり」。 今年に入ってからも、インドネシアの話題を扱う韓国語のコミュニティサイト内で、インドネシア在住の韓国人労働者が、上記のようなインドネシア人とイスラム教についての人種差別的なコメントを相次いで投稿していた事実がネット上で拡散している。 これに対して、ネット上ではインドネシア人から「韓国人は東南アジアに対してあまりにも人種差別的だ」といったコメントが多く寄せられていた。 ■タイ人を入国拒否する事例が続出 どうも東南アジアで「韓国人が人種差別的だ」という認識を持っているのは、インドネシア人に限った話ではないようだ。 特にタイのような国では、「嫌韓感情」が韓国への旅行客減少という実害に表れるレベルに達しているという。 「ホテルに木が何本あるかわかるか? ホテルの部屋の色は?」 韓国への入国審査において、このような質問がタイ人に投げかけられ、回答が不明確とみなされた場合は入国拒否となるという事例が昨年来続出しているという。
■約1万人ものタイ人が韓国旅行をキャンセル 韓国政府は、外国籍の入国者が韓国に入国する際、事前に登録して許可を得る「K-ETA制度」を21年9月から開始している。ただ、複数の報道によると、この許可を得られず韓国旅行をキャンセルすることになったタイ人観光客が、2023年には約1万人にも達したことがわかっている。 このK-ETA制度については、昨年、タイ政府の高官とその家族さえも不承認になり話題となった。 さらに、昨年にはタイ人の有名インフルエンサーが韓国の仁川国際空港で不法労働者とみなされ強制送還された事件も起こり、昨年から今年にかけて、タイ国内の反韓感情と韓国旅行に対する不信感が高まった。 タイでは「BAN KOREA(韓国禁止)」のハッシュタグがSNS上で拡散し、世論が韓国批判に大きく傾いた結果、韓国への旅行者が激減してしまった。 ■韓国を訪れるタイ人観光客は約2割減少 韓国の有力紙、中央日報が7月30日に報じた記事によると、韓国政府の発表では、韓国を訪れるタイ人観光客は7カ月連続で減少しているという。 今年6月に訪韓したタイ人観光客は2万150人と、昨年同月より19.5%も減少した。 6月に訪韓した外国人観光客の総数が141万7000人と、昨年同月より47.5%増加しているのとは対照的な結果であり、訪韓外国人の中で約2割も減少したのはタイのみという。 なお、今年上半期の累積観光客数では、タイ人は16万8328人と、昨年同期より19.1%減少しており、引き続き減少傾向にある。 コロナ禍以前、タイは東南アジアの中で訪韓観光客数1位の国だったが、それから考えると相当な落ち込みといえよう。