岡田奈々、デビュー45周年 伝説の美少女はいま
物静かなお嬢さんイメージが嫌だった
そんな中、75年10月から始まった中村雅俊主演の青春ドラマ「俺たちの旅」は、岡田の人気上昇のスピードを加速させたドラマといえるだろう。岡田は、田中健演じる“オメダ”こと中谷隆夫の妹で、“カースケ”こと津村浩介(中村)に想いを寄せる高校生の真弓役を好演。彼女を主人公にした第22話の劇中歌として使用された「青春の坂道」は、岡田の代表的なヒット曲となった。 「私は16歳で、中村さんは24歳ぐらいだったかな、大人の男性だったんですけど、普段から楽しい方で、ギターを持って歌ってくださったり。時間がなくてセリフを覚えるのは辛かったですけど、とにかく現場に行きたくって、楽しかった思い出ばかりですね」 着々とスター街道を歩む岡田だったが、お嬢様的な美少女アイドルとしてのイメージには悩みもあったとか。 「180度違うのに、そういうイメージばかりついちゃって。だって『俺たちの旅』の真弓だって、お嬢さんじゃないですからね。お嬢さん的な役って、そんなにやったことがないんです。おきゃんな役とか、時代劇であれば町娘役とか。素も活発なのに、物静かなイメージがついて、そういうふうに見られるのが嫌で困っていたんですよ。かといって羽目外すわけにもいかないじゃないですか」
歌も芝居も作る過程が好き
やがて20歳となった1979年からは女優路線に本格シフト、通っていた短期大学も中退した。女優としてのターニングポイントとなったのが、82年の映画「あゝ野麦峠 新緑篇」だったという。 「私は製糸工場の女工さん役だったのですが、山本薩夫監督に厳しくご指導いただいて。もう、そんなお嬢さんみたいな感じじゃダメだから、立っているだけで繭(まゆ)の匂いがするようにしてきなさいって」 「戦国自衛隊」「里見八犬伝」といった角川映画や、「スクール☆ウォーズ」などの大映ドラマでも活躍し、その後も地道にキャリアを重ねてきた。歌でも芝居でも、ものを作る過程が好きだという。 「2014年の映画『恋』なんかも、咲子って役になりきってセリフを言わせてもらい、監督さんと、いろいろと、どうやって咲子の気持ちになっていけばいいのかとか、そういうやりとりをしている自分が好きなんです。言いたいセリフを言わせていただいたり、歌いたい歌詞を歌わせていただいたり。それをやらせていただけることの嬉しさというものは、あ~、やってて良かった、やっぱり皆さんに聴いていただきたいし観ていただきたい、それが私たちの仕事なんじゃないかとは、思うんですけども」