“もしものとき”に動物を守るアクションとは?7ORDER・真田佑馬&萩谷慧悟が専門家に聞く、ペットの防災対策
「絶対に置いて逃げない」ということ
真田 さまざまな準備をしていても、いざ災害が起きたらパニックになってしまうと思うのですが、優先的にやるべきことを教えてもらえますか? 中川 まずは自分の命を守ることです。地震や水害など災害の種類によって避難の仕方は違うのですが、まずは普段から用意をしている避難バッグを持ってペットと一緒に避難所か、安全な場所に避難してください。人間がパニックになっていると、動物も察してパニックになってしまうので、冷静になることも大事です。たとえば猫は、いつもと違うことがあると、家の中で逃げて見失ってしまうこともあるんです。なので、普段から猫がとっさに逃げる場所を理解しておくことも大事です。 萩谷 すごく大事ですね。 中川 避難所って、平常時とは違うからこそ、動物も体調を崩してしまうこともあるんですよね。なので、普段からご飯を入れるお皿を変えてみたり、外でご飯をあげてみたり、違う環境下でご飯をあげることもいいのかなと思います。 萩谷 僕は普段から車にペットたちの必要最低限なものや、自分の避難バッグは用意するようにしています。とはいえ、車が使えない場合などもありますよね。そのようなときはどうすればよいのでしょうか? 中川 できれば、少し離れた知人宅に身を置かせてもらうことがベストだと思います。とはいえ、難しいのであれば、住宅の強化が一番いいと思います。動物たちにとっても、慣れた家が避難の場所になるのが一番なので、住むときにハザードマップを調べたり、どれだけ安心して暮らせる場所なのかを調べて家を選ぶことが大事だと思います。 真田 災害が来るときまでに準備をすることはできますが、いざ起きたときにこれだけは守らないといけないものって、どんなことなのでしょうか。 中川 もし、ペットを飼っているのなら、絶対に置いて逃げないでほしいと思っています。ペットを飼うと決めたときに、そこにはすでに大きな責任が発生しているんですよね。だからこそ、飼っていない人に比べたら、いろんなリスクも伴うんです。それがわかっていないと飼うのは難しいのではないでしょうか。 萩谷 そうですね。あとは、ペットを飼っている同士や、飼っていない人ともコミュニティが多ければ多いほどいいですよね。 中川 そこが本当に一番大事かもしれないですね。自治体の中には、避難所で飼い主の会などが開かれることがあるんです。お互い飼っている動物を知ることで助け合うこともできるので、ご近所さんでお友達を作っておくのはすごく大事なことだと思います。 真田 僕も愛犬の散歩をするときに、あいさつをする程度ですが顔見知りの方たちがいるんです。もしお互い在宅で避難しているのがわかっていたら、ご飯などの助け合いもできると思うんですよね。 中川 そういった関係を築けることがすごく理想ですよね。 真田 難しく考えすぎると面倒になりますが、それくらいの関係性を保つことが一番いいのではと思っています。 中川 あとは、今の時代だからこそSNSなどで同じ動物を飼う人たちとつながることもオススメです。 真田 理解してくれる人を探すのも大事ですし、だからといって、「理解して」と言うのも違うからこそ、そのバランスはすごく大事ですよね。 中川 そうなんです。ペットを飼っている人、飼っていない人が寄り添うことが大事だからこそ、備えること、避難所の場所を知っておくことなど最低限のことをチェックすることをぜひやってみてくださいね。 <このほか本誌には、真田&萩谷が専門家にペットの防災対策について話を聞く特集の完全版を掲載。さらに、動物を迎えてから生まれた心境の変化やペットの快適な生活のため気をつけていること、保護動物の支援活動に対する思いについて、ふたりが語る対談も>
吉田可奈