「お金の誘惑に負けなければ…」闇バイトに加担した元大学生が法廷で語った“後悔” 被害者は死亡 「ルフィ」グループによる狛江市の強盗致死事件【#司法記者の傍聴メモ】
■「母は体中の骨を折られながら、亡くなった伴侶に助けを求めた」遺族が悲痛な訴え
家族5人の幸せな生活を理不尽にも奪われた被害者の女性。90歳と高齢だったが、買い物や食事などは1人で全てこなし、つつましく生活する人だったという。 裁判では、遺族の悲痛な思いが代理人の弁護士を通じて読み上げられた。 ――女性の遺族 「母の死に顔は生前見たこともないもので、つらく納得できない無念な表情でした」「母はバールで殴られていた際に『お父さん助けて』と言っていたそうです。体中の骨を折られながら母がとった必死の行動が20年以上前に亡くなった伴侶に助けを求めるということでした」「被告人には死ぬまで母の死に際の言葉、母の声を忘れないでほしい。極刑にならないのであれば1日でも長く刑務所にいてほしいと思います」
■「最も罪深く申し訳ないのは…」最終意見陳述で中西被告は
目の前で女性がバールで暴行を受けるのを見ていた中西被告。 裁判では「自分は一切殴ってない」と話し、強盗致死の罪について、争う姿勢を示したが、検察側は「暴力を伴う強盗が計画されていることを理解しており、共謀していたことは明らか」と指摘し、強盗致死罪が成立するとして懲役25年を求刑した。 金欲しさに、指示されるまま強盗に手を染めた中西被告。 裁判長から「最後に述べておきたいことはありますか」と問われると、「様々な選択肢があったのに自分がお金の誘惑に負けず踏みとどまれていれば事件は起きなかった」と述べ、“あの場面”を最も悔やんでいると話した。 ――中西被告 「この事件で最も罪深く女性に申し訳ないのは、バールで殴打する行為を見て、止めないといけないと思っていたのに、恐怖心から何もできずその場に立ちつくしたことです。自分の選択や行動を後悔して絶望します」 亡くなった女性や遺族に対し謝罪の言葉も述べた。 ――中西被告 「事件を起こした責任として償い続けることをここに誓います。亡くなった女性と遺族に謝罪させてください。大変申し訳ありませんでした」「バールでの暴行を見ても何もできなかった自分を一生許さずに生きていきます。女性の命を一生背負って生きていきます」