DeNA、継投ノーノー惜し勝った 吉野光樹が憧れ初聖地で〝前哨戦〟虎狩り!2日にもCS決定
セ・リーグ3位のDeNAは30日、阪神24回戦(甲子園)に2-0で勝利した。2年目の吉野光樹投手(26)が6回94球を投げて無安打無失点に抑え、3勝目を挙げた。自身初の聖地での登板で好投し、4投手による2安打の完封リレーに貢献。チームは試合のなかった4位広島とのゲーム差を2に広げ、クライマックスシリーズ(CS)進出へ前進した。 【写真】阪神・岡田彰布監督、あわやノーノーも「別にええけどな」 夢に見た甲子園のマウンドでも、心は動じなかった。強弱をつける投球を試みた吉野が、6回無安打無失点と好投し、涼しい表情で勝利の余韻に浸った。 「やってみたことが、うまくはまった。収穫になりました」 山場は0-0の四回。1死から死球と味方の失策で一、三塁のピンチを背負った。淡々とアウトを積み重ねてきた右腕は、ここぞとばかりにギアチェンジ。佐藤輝を得意のフォークボールで空振り三振に斬ると、雄たけびを上げた。続く前川は外角の直球で左飛に仕留め、窮地を脱した。 今季デビューを果たし、これが7戦目。1軍の並みいる打者を是が非でも抑えようと目いっぱい腕を振ってきたが、三浦監督の助言で「力を抜く勇気」を持った。力感をセーブした成果でフォークの球離れが良くなったといい、要所でギアを上げた直球は走った。 1学年下のヤクルト・村上とチームメートだった熊本・九州学院高では、2年時の春と夏にチームが甲子園大会に出場したものの、自身はスタンドから声援を送る立場だった。「無縁」だった聖地で成長の跡を刻み、八回まで阪神打線を無安打に抑える完封リレーの立役者となった。 指揮官は「必要なところだけ力が入って、抜くところは抜けていた。バランスよく投げていた」と評した。「すごくうれしい。でも、まだまだ足りないことがある」と吉野。最短CS進出決定は10月2日。チームをCS進出へ前進させた26歳は、さらなる活躍を誓った。(鈴木智紘) ■吉野 光樹(よしの・てるき) 1998(平成10)年7月19日生まれ、26歳。熊本県出身。九州学院高3年夏の熊本大会は、決勝で秀岳館高に敗れた。上武大、トヨタ自動車を経て23年ドラフト2位でDeNA入団。今季プロ初登板を果たし、8月23日のヤクルト戦(神宮)で初勝利を挙げた。今季は7試合に登板し、3勝2敗、防御率4・31(30日現在)。176センチ、80キロ。右投げ右打ち。既婚。年俸1200万円。背番号24。