新曲「花瓶」をリリース ココラシカ オフィシャルインタビュー「プロフェッショナルに向かっていることをすごく実感している」
高校を卒業したばかりの10代男女3名からなるギターレスのスリーピース・バンド、ココラシカ。7月に「最後の花火」、9月に「溶けないで」と、コンスタントに新曲を発表していたが、11月12日に新曲「花瓶」を発表した。ソングライティングを一手に手掛けるこうき(vo、key)、こた(ds)、らな(b)の3人で作り上げたこの曲は、「溶けないで」に続き、SEKAI NO OWARI、ゆず、Official髭男dismなどに関わってきた保本真吾をプロデューサーに起用。それまでのポップな楽曲とはひと味違い、しっとりとしたミディアム・バラードに仕上がっている。 デジタル・シングル「花瓶」ジャケット画像 また、読売テレビで放送中のドラマ『未成年~未熟な俺たちは不器用に進行中~』のエンディング主題歌というタイアップも、彼らにとっては大きなステップになった。まさに現在進行形で成長を続けるココラシカは、今何を考え、どこへ向かっているのか。新曲「花瓶」を中心に3人から話を聞いた。 ――2カ月おきに新曲のリリースが続いていますが、何か心境の変化はありましたか。 こうき 制作を繰り返すうちに、自分たちなりに楽曲へのアプローチの仕方などで感覚をつかみ始めてきたかなっていうのはちょっとあります。 ――具体的にはどういうことなのでしょうか。 こうき 高校生の時は、3人のなんとなくの感覚で作ってきたのが、人に聞かせる音楽ということを意識したときに、どういうことをやりたいのか、やるべきなのかがぴったり交わるところを探していると、だんだんこのサウンドが曲にマッチしているなとか、そういうことがわかるようになってきたんです。 らな あと、プロデューサーさんと一緒に組んで作ってきたことも大きいですね。「最後の花火」は横山(裕章)さん、「溶けないで」と「花瓶」は保本(慎吾)さんに入ってもらって、主観的ではなく、どういう音楽がいろんな人に聴いてもらえるのか、耳に引っかかるのかということを第三者の視点を通して学びました。 ――制作的なところ以外での、ファンやライブでのオーディエンスの反応はどうですか。 こた ココラシカっていう名前がちょっとずつ広がってきて、「ライブの方がよかった」とか書き込んでくれる人がちょっとずつ増えているので、目に見えて感じられるのはうれしいですね。 こうき ライブも同期(事前にプログラミングした音源と同時に演奏すること)を取り入れたこともあって、表現に幅が広がったし、お客さんもさらに楽しんでもらえるようになったと感じます。 ――新曲「花瓶」はこれまでと違って、バラード調の楽曲で、しかもドラマのタイアップが決まりました。 こうき シンプルなバラードなので、ただシンプルなだけにならないように聞かせる工夫をプロデューサーの保本(真吾)さんと一緒に考えました。とはいえ、あまりごちゃごちゃしすぎずに、メッセージがまっすぐ伝わるよう工夫したのが、この曲の頑張ったところですね。 ――確かにシンプルかつメロディアスで、こうきくんの弾き語りでも成立しそうな曲調ではありますよね。バンドとしてどこを工夫したのでしょうか。 こた 最初にデモを渡されたときは(ドラマーとして)正直「どうすりゃいいんだ?」って思いましたよ。「なんにもできねえ」って(笑)。シンプルなだけに、普通にやると超普通になっちゃうんですよ。アイデアを出そうとしてもデモ以上のものが出てこないし。だから、ドラムのフィルひとつ考えるのもすごく時間をかけました。 らな タイアップ曲で注目を集めるからこそ、自分が参加する意味というか、バンドらしさは出さないといけないと思ったけれど、シンプルな曲なのですごく難しい。そこはメンバーや保本さんに相談しながら考えました。例えばサビの盛り上がるところで、グリスで「ブン、ブーン!」というように少し暴れてみたりとか(笑)、曲の世界観を壊さないようにしながら、ベースの面白さも足していくことが実現できたかなと思います。 こうき 今回、こうやってバラードに挑戦したことで、ひとつアレンジ面で克服できたというのはありますね。もともとバラード曲を書くのは得意な方だったのですが、バンドでやるといつも普通だな、もっと面白いことをやりたいなって思うことが多かったので、大きな学びになりました。