藤井隆、どん底の自分を救ってくれた東野幸治さんの言葉
吉本新喜劇に根を張り、タレント、俳優、MCと幅広く活動する藤井隆さん(43)。11年ぶりのオリジナルフルアルバム『COFFEE BAR COWBOY』(発売中)もリリースし、さらに歩みを進めています。今や、オンリーワンの存在ともなった藤井さんですが、常に指針としてきたのが先輩芸人・東野幸治さんだと言います。
口にするとウソっぽくなっちゃいますけど、新喜劇でもそうですし、僕は、本当に、本当に人に恵まれてきたんです。新喜劇では、僕より下の人が3年くらい入ってこなかったので、下っ端として長く先輩にかわいがってもらいましたし、東京に出てからも、皆さんに目をかけていただきました。 「ダウンタウン」の浜田雅功さんにも、本当によくしてもらいました。浜田さんとはドラマ「明日があるさ」(日本テレビ系、2001年)でもご一緒していたんですけど「君はすぐに楽屋に引っ込んでしまうタイプやけど、前室(スタジオ横などにある出演者が出番前に集まるスペース)に出てきて、共演者の方々と話をしなさい。そうすることで、今後、別の現場で俳優さんとご一緒する時とか、自分がMCをする番組に来てもらう時に、絶対に力になってくださるようになるから」と言っていただいたんです。その言葉をいただいてから、実際に共演者さん、スタッフさんの中に飛び込んでいくようにしたんですけど、それが今にいたるまで、素晴らしいご縁をたくさん生んでくれています。 あと、今田耕司さんともレギュラー番組でご一緒させてもらうようになったんですけど、今田さん自身が太陽みたいな方で、こちらを明るく照らしてくださる。なので、ノビノビと控室の時点から楽しい気分になって、そのままの流れで収録にも臨めるんです。番組ではアシスタント的に今田さんの横にいさせてもらったんですけど、実は、東京に出てきてしばらくは、いわゆるMCが得意ではないという思いがあったんです。もちろん、お仕事をいただくこと自体が有り難いことで、得意だ、苦手だなんて言うべきことではないんですけど、今田さんのノビノビとした空気の中で、番組をまわしていくお手伝いをさせてもらったことは、とても大きな経験になりました。 …え~、前置きが長くてすみません(笑)。要は、そんな風に、皆さんにお世話になり、優しくしてもらってきた。そして、ここは言葉のニュアンスが難しいんですが、そんな中、決して変な意味じゃなく、ピシャリとしてくださるのが東野幸治さんなんです。 この感覚をお伝えするのが難しいんですけど、厳しいというわけでもない。特に、本番中なんて「どうぞ、お好きに」と自由にさせてくださいますし。ただ、ポイントでズバッとストレートにおっしゃるんです。しかも、真実を。