偽の「往来手形」確認 江戸期の女性罪人?が所持 現在のパスポート「実物は貴重」/兵庫・丹波市
波乱の人生か 「ドラマを想像」
覚書には、「はる」は、病気になった丹後から、村から村へと送り届けられてきたことを記す「継送書状一札」も持っていたと書かれている。今のところ、この書状は見つかっていないが、苦しむ「はる」を村々の人が助けていたことが分かる。 覚書の内容から、「はる」が亡くなった梶原村の役人も、困惑しつつも埋葬したことが記されている。山内さんは「目の前の人を放っておけないという、良心や哀れみを持って対応したとうかがえる」とする。 山内さんは、「推測でしかないが」と前置きした上で、「病気になった『はる』は、偽往来手形にある住所地に向かおうとしたのではないか。その途上、梶原村で亡くなってしまった。『はる』の波乱だっただろう生涯や、往来手形を信じて対応した梶原村の人々の優しさなど、古文書からドラマのような展開が想像できる」と話している。