医療従事者支援で野球、サッカー、バスケ、バレーら7競技が異色合体…なぜONE神奈川でスポーツが手を結べたのか?
ディー・エヌ・エーが親会社を務めている、バスケットボールBリーグのB1に所属する川崎ブレイブサンダースも賛同した。同じくB1の横浜ビー・コルセアーズとは、ベルマーレの本拠地Shonan BMWスタジアム平塚に隣接するトッケイセキュリティ平塚総合体育館が、リーグ戦会場のひとつだったことをきっかけに交渉をスタートさせた。 親会社つながりではノジマステラ神奈川相模原を介して、アメリカンフットボールXリーグのノジマ相模原ライズへ趣旨を提案。バレーボールVリーグのNECレッドロケッツとは、身近なところに意外な接点を見つけたと水谷社長が苦笑しながら明かしてくれた。 「弊社社員の奥さんに元バレーボール選手がいて、その縁で繋がらせていただきました」 eスポーツを介した横への繋がりを思い立ってから概要発表の記者会見まで、わずか1カ月あまりというスピード感で『One KANAGAWA』を実現させた。対戦の収録は参加する選手と第三者との完全隔離が可能な横浜スタジアム内の個室観覧席で行われ、かながわコロナ医療・福祉等応援基金への寄付の方法に関するノウハウなどはディー・エヌ・エーの子会社、株式会社モバオクが提供する。 「みなさまに本当に手弁当で集まっていただくようななかで、本当に短い時間で準備を終えることができました。ただ、神奈川県内にはまだまだチームがあります。お声がけができなかったチームもあると思っているので、そうした縁の幅をもっと広げていくことが今後の課題だと思っています」 万感の思いを募らせた水谷社長によれば、最も頭を悩ませたのは対象ゲームの選定だったという。今回はベルマーレなどが実施経験のある『FIFA 20』となったが、新型コロナウイルス禍を乗り越えるために神奈川県のスポーツがひとつになった今回を、未来への第一歩にしたいと力を込める。 「いまから将来の話をするのは時期尚早かもしれませんが、これだけの多種多様なチームが集まったわけですから、大切な関係性を持続させることでこの大会をシリーズ化し、次回はeスポーツ大会として人気と実績のある野球ゲームでの開催を目指していきたい」 企業協賛や寄付、クラウドファンディング、チャリティーオークションの方法などの詳細は大会公式Webサイト(https://one.kanagawa.jp)に記されている。ファンやサポーターが一体になれる対戦は今月30日に3人ずつ5組に分かれたグループステージが、31日には各組の1位が対戦する決勝トーナメントが、それぞれOPENREC.tv(https://www.openrec.tv/user/OneKANAGAWA)で配信される。 (文責・藤江直人/スポーツライター)