大学入試にも生かせる「探究学習」が今アツい
優秀賞は「モテるセミ」!? 自分の好きが見つかる生徒も
開明中学校・高等学校 開明中高も特徴的な学習が目白押しだ。中学に入学すると全員で取り組む「弁論大会」。自分で設定したテーマについて5分間、クラスメイトの前で発表。優秀な生徒は本選に進み、全校生徒の前で発表できる。弁論大会をきっかけに自分の関心を掘り下げることで、進路が定まる子も多いとか。過去には宇宙について論じ、JAXAへ就職した生徒もいた。 高校では「研究発表」に取り組む。5人以下でグループを組み、生徒主導で研究するテーマを設定し調査・実験まで進める。最終的には弁論大会と同様に、優秀なグループは全校生徒の前で発表する。最近の優秀なテーマには「『モテるセミ』の特徴を、大阪城公園へ行って調査し分析する」というユーモアにあふれる内容も。 取り組みを通じて、生徒自身の発信力を育むだけでなく、ほかの生徒の「良い事例を見て、自分に取り入れる」ことができるのも長所だという。弁論大会・研究発表を活用した特色入試の受験率も高く、京大・特色入試の合格者数も3年連続4回目の全国最多という実績がある。 ■開明中学校・高等学校/大阪市城東区野江1-9-9/電話06(6932)4461
メモ】探究学習と学力・入試
各校の担当者が口をそろえるのは「探究学習は成績向上にも影響する」ことだ。「関連付け学習」をすると記憶が定着しやすく、理解も強化されるが、なにより「モチベーション」「やりきる力」といったマインド面が高まる点が大きい。 一方、最近は探究学習の過程や成果を入試の採点評価に使う大学も増えてきた。高校の実績を重視する「学校推薦型選抜」や入学後の意欲を問う「総合型選抜」が多くの大学・学部で実施され、「探究学習」に比重を置いた入試形式も増えている。京都大の「『高大接続型』特色入試」や、奈良女子大の「探究力入試『Q』」、関西学院大の「探究評価型入学試験」などがそれにあたる。