子どもが忘れ物をしなくなるには、「家の動線」がカギ? プロに聞く“しくみ作り”のコツ
■プリントを親に渡すには誘惑に負けない動線をつくる 持っていく・持って帰るができるようになったら、「分類して置き場所におく」もクリアしたいものです。持ち帰ったワンセットを(1)親に渡すもの、(2)洗濯かごに入れるもの、(3)キッチンに持っていくもの、(4)宿題など家で使うもの、(5)ランドセルごとおいておくもの、に分類してもらわなくてはいけません。このとき「明日の準備」までをいっぺんにできると理想的です。 ところが「家に帰ったと思ったら、手も洗わずにランドセルをほうり投げてすぐにベッドでゴロゴロしちゃうんです!」と嘆く声は少なくありません。「手を洗いなさい」「プリントは?」と声をかけてもベッドから動かないといいます。なぜでしょう? 問題は、家に着いてからの動線にあります。 ランドセル置き場が子ども部屋にあると、まず子ども部屋でランドセルをおろし、次に洗面所で手を洗い、再び子ども部屋に戻ってプリントを出して親に渡さなくてはいけません。でも、子ども部屋にはベッドがあります。だからそのまま寝転んでしまうのです。動線を変えましょう。「玄関⇒洗面所」の流れだけで完結させませんか? リビングのソファの近くにランドセルとプリント類を置く場所をつくれば、ただいまと言ったらすぐにランドセルをおくことができます。プリント類もそこにおき、体操着などを持って洗面所に移動します。体操着は洗濯かごに入れ、手洗いとうがいをしたら終了です。この動線だと、「誘惑するベッド」を通過しないですむというわけです。 〇中島美鈴(なかしま・みすず)/臨床心理士、公認心理師、心理学博士。専門は時間管理とADHDの認知行動療法。現在は中島心理相談所 所長。著書に『マンガでわかる 精神論はもういいので怒らなくても子育てがラクになる「しくみ」教えてください 』(主婦の友社、マンガ/あらいぴろよ)ほか多数。最新刊に『マンガで成功 自分の時間をとりもどす 時間管理大全』(主婦の友社、マンガ/あらいぴろよ)。最新刊に『仕事も人生も、これでうまく回る!不器用解決事典』(朝日新聞出版)。
中島美鈴