2021年全米以来の4大大会復帰戦も、4時間22分のフルセット勝利 錦織劇場はいまだ健在だ!
◆テニス ▽全仏オープン 第1日(26日、パリ・ローランギャロス) 【パリ26日=吉松忠弘】3年ぶりの4大大会復帰戦でも、現役最高勝率を誇る5セット試合を4時間22分の死闘で制し、錦織劇場の幕開けだ。元世界ランキング4位の錦織圭(34)=ユニクロ=が、予選勝者で同166位のガブリエル・ディアロ(22)=カナダ=に7-5、7-6、3-6、1-6、7-5で制し、2021年全米以来の4大大会勝利を飾った。 闇に照らされる照明の光線の中、午後10時半、錦織が復活のこぶしを突き上げた。大会前の会見で「なるべく5セットには行きたくない」と話していたが、そこは27勝7敗(試合前)と、現役最高勝率を誇る5セット・キング。錦織劇場と呼ばれるワクワク、ハラハラ感を十分に演じた。「早くロッカーに帰りたい!」。 合計得点数は錦織が167点に対し、相手は180点。13点も負けており、通常なら敗退しててもおかしくない得点差だ。本人も「負けててもおかしくない試合だった」。それでも大事な得点だけを、しっかりと押さえた、まさにベテランのなせるワザ。4大大会デビューの相手に、経験の差を見せた。 第1セットの2-5から、鮮やかな逆転劇が幕開けだった。パワーに押されていたのが、ようやくなれて目が覚めた。2本のセットポイントをしのぎながら、一気に5ゲームを連取して先取した。第2セットも押し切った。 第3セットも、3-2リードから4-2にできるポイントが2本連続であった。しかし、それを逃すと、集中力ががくっと落ちた。相手のミスが全くなくなり、立て続けに2セットを奪われた。 最終セットに入る前、錦織はトレーナーを呼び、腰のマッサージを受けた。自分のサービスゲームを失う最悪のスタートだったが、すぐに相手のサービスゲームを破り返した。最後は、相手のフォアが大きくアウト。開幕日最長の4時間22分の激闘だった。
報知新聞社