車の横断歩道一時停止率 青森県は59.9%、過去最高 JAF調べ、全国平均上回る
信号機のない横断歩道を歩行者が渡ろうとする際、車が一時停止する割合が青森県は59.9%で統計が残る2018年以降で過去最高だったことが8日、日本自動車連盟(JAF)の調査で分かった。歩行者優先への意識が徐々に高まりつつある一方、約4割は停止しておらず、横断歩道上での事故も依然として起きており、県警は一時停止の徹底を呼びかけている。 道交法では、歩行者が横断歩道を渡ろうとする際、車の一時停止を義務付けている。調査はJAF職員が歩行者となり、8月7~28日の平日に各都道府県の横断歩道2カ所で実施。全国平均は53.0%で、青森県は17位だった。最も停止したのは長野で87.0%。2位は石川で80.9%、3位は岐阜で75.2%、最下位は富山の31.6%。 JAF青森支部によると、青森県の一時停止率は18年が2.1%(全国ワースト5位)、19年が4.4%(同2位)などと21年まで低水準で推移したが、22年に56.7%と大幅に改善。今年はこの数値をさらに上回った。 県警は近年、一時停止率アップに向けた啓発活動に力を入れてきた。ドライバーの目に留まるように、弘前市出身のタレント王林さんを起用し、横断歩道が歩行者優先であることを紹介するラッピングバスを走らせたほか、交流サイト(SNS)でもPR。今年はパトカーによる警戒走行の頻度も増やした。 県警交通企画課の高橋晶子交通企画官は「県民の意識が変わってきたと言える。命を守るためにさらに停止率を上げるために広報活動を続けていきたい」と語った。 一時停止率が上昇する一方、横断歩道を渡っている歩行者が車と接触する交通事故の発生件数は、過去5年間で毎年110~140件台と後を絶たない。今年も9月末現在で90件発生している。