インバウンド激増中だが…「京都」の”風俗店”でオーバーツーリズムは起こっているのか調べてみた
今、京都市ではインバウンドの激増によって、「バスに乗れない」、「深刻な騒音、ゴミ問題」、「観光客が私道にまで入ってきて生活を覗かれる」、「市場が外国人で混雑し、日常の買い物がしにくい」など住民の生活が脅かされる事態が起きている。祇園界隈で美しく着飾った舞妓や芸妓の写真を撮ろうと執拗に追いかける外国人観光客の迷惑行為、いわゆる「舞妓・芸妓パパラッチ問題」はニュースでも話題になった。このような〝オーバーツーリズム(観光公害)〟に苦しむ京都市だが、地域の風俗店は増加するインバウンドにどう対応しているのだろうか。7月中旬に現地を取材したところ、関係者からさまざまな声が聞こえてきた。 【いやっ、やめて…】「家の中に入って来ないで!」迷惑観光客に泣く住民の叫び! 「外国の人も来ます。(ヘルスは)どこも(インバウンドを受け入れている)。白人も中国人も。トラブルはほとんどないね。みんな少し日本語が話せるから。ペラペラの人もいるし。国によっては”本番”が当たり前のところもあるから、最初に説明して(システムを)理解してもらってから案内している。女の子によっては喜ぶ子もいる。勉強になるから。でも、外国人NGの子もいるからね」 そう話すのは木屋町でヘルスの客引きをしていた男性だ。聞けば、深夜11時ごろにへべれけに酔って来店するような日本人のほうが手を焼くそうで、外国人に関してはあまりトラブルはないという。ところで、外国人は円安で羽振りがいいから、みんなロングコースを選んだりするのだろうか? 「そうでもないよ。いろいろだね。ショートコースが多いかな。30分とか。どんなものか体験したくて来る感じ」 さらに他の風俗店の客引きに話を聞いてみても、「外国人も来ますよ。中国人も韓国人もアメリカ人も。黒人、東南アジア、中東の人も。問題なく遊んでいきます」という話を聞くことができた。 店舗型の風俗店はどこもインバウンドを受け入れていて、外国人はマナー良く遊んでいるようだ。なかには、外国人向けに「Escort service」、「Welcome」と、英語の張り紙を店頭に出している店もあった。続けて、水商売店のインバウンド対応を取材してみた。 「(外国人の客は)いますよ。中国人も、韓国人も、白人も。たまに女性の方も来ます。〝日本のキャバレークラブで飲みたい〟って」(木屋町のキャバクラの客引き) 〝オーバーツーリズム〟として問題になっているかを尋ねると、「なっていない」という。むしろ「もっと客に来てほしい、客が来過ぎて困るということはない」とのことだ。他の客引きにも話を聞いてみた。 「英語の看板? 出していません。(ウチは)もともと店名が英語だから。外国人はオッパブをストリップバーだと間違えている人もいます。(違いが)分からないみたいです」(木屋町のオッパブの客引き) 「ウチは外国人ダメなんですよ。ほら、言葉が通じないから。女の子も1時間ずっと笑っているのはつらいし。時間制とか、分からないみたいだし」(木屋町のキャバクラの客引き) 「ウチは外国人は入れないからね。(言葉の)キャッチボールができへんやろ。〝インバウンドが増えた〟とか関係ないよ。外国人がお金を落とすのはホテル、土産物屋、居酒屋くらい。あとはバーに行く感じ」(祇園のオッパブの客引き) 聞いた話を総合すると、京都市では観光地には外国人観光客が殺到してはいるものの、色街に関してはオーバーツーリズムは起こっていないようだ。風俗店のほうは対応できる女性がいるかどうかという点が問題ではあるものの、可能ならばこれまで以上に外国人を受け入れてインバウンド増加の恩恵にあずかりたいという思いが強いように思えた。 一方で水商売店は、全体的にはインバウンドにあまり期待していないようだった。キャバクラでは「外国人だけ特別価格」ということはないという。オッパブでは外国人NGの店が多かった。なお、「外国人が日本語を話すことができれば店に入れている」という話や、「外国人客が増えれば料金システムを後払いではなく〝キャッシュオン(テーブルにドリンク1杯が来たら、その場でドリンク1杯分の料金を払う。または注文の段階で支払う)〟に変更して対応したい」という意見を、キャバクラの客引きから聞くことができた。 夜の四条通の歩道では、かわいい衣装を着たガールズバーの女性たちが客を引いていた。入店を誘われた外国人男性たちが照れ笑いしていたのが印象的だった。 有料版『FRIDAY GOLD』では生駒氏が、インバウンドを受け入れている風俗店の実態、そして京都風俗の特色や主だった店などを徹底ガイドしている。
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