イラストで自然の魅力を再発見!! 特別展「自然史のイラストレーション ~描いて伝える・描いて楽しむ~」開催
生き物や植物が好きな方の多くは、何気ない日常やアウトドアで出会った生き物や植物を撮影して、後々じっくり画像を観察したり、SNSなどに投稿したりすることを楽しんでいるかと思います。 【写真】「自然史のイラストレーション ~描いて伝える・描いて楽しむ~」の展示内容を見る(全4枚) 一方、生き物や植物のイラストレーションを描くことは、多くの情報をわかりやすく視覚化でき、写真とは違った楽しみを与えてくれます。大阪市立自然史博物館では特別展「自然史のイラストレーション ~描いて伝える・描いて楽しむ~」を開催。イラストレーションで表現された生き物や植物の魅力に触れてみましょう!
イラストレーションで生き物や植物の魅力を紹介
大阪市立自然史博物館は、総面積66haの広さを誇る、緑豊かな長居公園にある博物館。「自然と人間」をメインテーマに、動物、植物、昆虫、岩石、化石など約1万数千点の標本を展示しています。 この特別展では、古い文献、論文や図鑑、普及のための資料など、さまざまな媒体に描かれたイラストレーションを通して、描かれたものの魅力と描いて伝えることの楽しさを紹介しています。 例えば、ペリーの航海記に描かれた日本の生き物の図、化石で新種記載された松ぼっくりの原画、潮の満ち引きに関する絵本の原画、大阪市立自然史博物館友の会の会員の詳細な観察スケッチなど、幅広い時代やジャンルのイラストレーションを展示。誰もが写真を気軽に撮れる今だからこそ、改めて絵や図のおもしろさを考えるきっかけになるでしょう。 また、牧野日本植物図鑑の分担作画もした山田壽雄氏の植物図、子ども向けの図鑑や教科書の生き物をたくさん描いた天木茂晴氏の挿絵、中島睦子氏のラン科植物図譜の原図など、東京大学総合研究博物館が所蔵する図も展示されます。
期間中に行なわれる関連行事にも注目
特別展の期間中には、毎週土曜の午前10時~(1回約15分+質疑応答)に行なわれる学芸員によるギャラリートークをはじめ、セミナーや講師を招いた講演会、子ども向けのワークショップなど、関連行事が多数開催される予定です。 3月16日の自然史オープンセミナーは「植物のイラストレーションを楽しむ」をテーマに、展示を担当した2人の学芸員が植物の標本や図鑑に関係する図の魅力について紹介します。 4月28日の特別展普及講演会は「自然史の描き手たち―明治期の画工について」をテーマに、明治期の大学や博物館で活躍した図を描く専門家「画工」の足取りや描いた図についての講演が行なわれます。 5月18日の自然史オープンセミナーは「補い合う標本と図版」をテーマに、自然を記録する証拠として標本と図版が互いに補い合いながらそれぞれに価値を持っていることを紹介します。 また、会場やミュージアムショップ、ウェブショップでは、特別展の内容が凝縮された解説書も販売されます。 身近な生き物が活発に動き出し、植物が大きく生長する季節を前に、その多彩なイラストレーションを鑑賞し、絵や図で描かれた自然の世界を楽しんでみてはいかがでしょうか。
ソトラバ編集部