マカオ税関が中国ボーダー近くの工業ビル内に開設された運び屋向け密輸品供給拠点摘発…活ロブスター約735キロ押収
澳門海關(マカオ税関)は6月29日、同月27日にマカオ半島北部・關閘エリア所在の工業ビル内に開設された違法な運搬活動(いわゆる運び屋行為)従事者向け商品供給拠点1ヶ所に対する摘発を実施したと発表。 現場周辺は中国本土との主要な陸路の玄関口・關閘イミグレーション(通称:ボーダーゲート)に近く、以前から両地の間を往来する運び屋相手のビジネスを行う店舗や倉庫などが存在すると指摘され、当局が高頻度でパトロールや摘発を行っている場所のひとつにあたる。
税関によれば、事前にマカオ半島北部の某工業ビルを名指しして、同ビル内で運び屋向けに商品を供給し、かつ違法な食材の保管が行われているのではないかとの投書があったことを受け、パトロールを強化して臨んでいたところ、同月27日午後のパトロールにおいて当該工業ビル内の1店舗が運び屋行為に関与している可能性が浮上したため、摘発を実施。店の責任者の女を取り押さえるとともに、店内から活ロブスター約735キログラム、市価にして約58万パタカ(日本円換算:約1160万円)相当を発見、押収したとのこと。 責任者の女は50代のマカオ人で、運び屋を組織して中国本土への密輸出し、正当な貿易活動の規制逃れを図ったとし、対外貿易法違反で起訴するとともに、貨物が室温下で放置され、温度管理が不適切で食品安全法に触れる可能性があるとして、食品安全行政を管轄する市政署が調査を行うことになったという。さらに、当該店舗が営業許可証なしで営業していたことも明らかになったとした。
このところマカオでは運び屋が絡む活ロブスターの密輸出事案の摘発が頻発している。 税関では、本件を受けて広く公衆に対して報酬目当てで運び屋行為に従事するようなことがないよう累次の呼びかけを行うと同時に、今後も法執行策を動態的に調整しながら全力を挙げて運び屋による密輸の摘発を進める考えを示した。